官能的! グルーズと『三四郎』

 漱石の『三四郎』に、美学の先生からグルーズの絵を教えられる場面がある。二、三日まえ三四郎は美学の教師からグルーズの絵を見せてもらった。その時美学の教師が、この人のかいた女の肖像はことごとくヴォラプチュアスな表情に富んでいると説明した。ヴォラプチュアス! 池の女のこの時の目つきを形容するにはこれよりほかに言葉がない。何か訴えている。艶なるあるものを訴えている。そうしてまさしく官能に訴えている。け…

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古本日記 フィリップ全集の巻

先週から調子悪く、休まず仕事に出て、ますます不調で苦しいが、午後から大阪古書会館へ。古書会館近くの太陽コーヒーという店で、バリ神山を400グラム購入。先月はお休みで買えなかった。神山(しんざん)を購入するのは久しぶり。12月にお土産にした時は、ちょうどお土産分で品切れになり、自分の分は買えなかったのだ。会場に見知った顔はなく、じっくり見る。午後から出る方がゆっくり見られるかも。白水社版の『フィリ…

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古本日記 古山高麗雄と片岡鐵兵と

  早起きするも身体だるく、洗濯のみすませて、京都古書会館へ。丸太町でおりて方向感覚に迷う。4筋目を南行して、見つかる。 リュックおやじに怒っている人がいたが、わたしは、片がけにするようにしている。 通路せまく、通過できない。「後ろ通ります」と声をかける。 玉城で、英ノブの団扇女子絵はがき一枚。 京都スターブックスで明治23年の雑誌『日本人』の超美本を1冊。3冊あったが、印刷見本(たぶん木口木版…

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古本日記 もう13日間も

 ブログを調べると、もう13日間も古本屋に行っていないのであった。  文庫櫂と京都古書会館と彩華堂と口笛文庫を1日でまわりたい……が、仕事である。

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5月に夢二展

 東京ステーションギャラリーの企画展予定を見ていたら、2018年5月19日(土)-7月1日(日)に「竹久夢二展(仮称)」があがっている。

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新潮文庫編集部にお願い

 赤瀬川原平『櫻画報大全』(昭和60年10月、新潮文庫)。 さて、文庫版の初版であるが、お願いというのは、綴じるための糊の変色についてである。 1995年から、約22年経過で、背が変色している。 もっと、黒くなっているものもある。 少し、見えにくいかも知れないが、斑点が入って変色が始まっている。 お願いというのは、長年月を経ても、変色しない糊にしてほしいなあ、ということである。 文庫本は消耗品で…

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におう古本

 郵便ボックスを開けたときから、ちょっと懸念があったのですが、包みを開けて決定的となりました。あれに似た匂いがするのです。ガーーん。 とりあえずレジ袋に梱包し防虫剤を入れてしばらく様子を見ます。大正3年刊の本です。  これまで、におう古本にであったことはあります。それは新しめの本でしたが、カビ臭いを通り越してちょっと気になる匂いを放っていました。かげ干ししたり、清掃したりしているうちに匂いは消…

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ヌー・ボードを使ってみる

 A4版のホワイトボード、「ヌー・ボード」を使ってみよう。4枚綴じで8頁で、黒のマーカーかついている。2100円くらい。カラーマーカーは、別売である。 綴じられていない、バタフライボードというものもあるようだ。値段はちょっと高い。  さて、大塚英志『「彼女たち」の連合赤軍』(角川文庫版)、190頁に、吉本隆明の『重層的な非決定へ』の引用が出てくる。 そこを読んで感じたことを、一枚のボードに書い…

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岡本偉業館と山村誠一郎

 岡本偉業館という大阪の出版社については、《関西の出版社》に記事があった。 ただ、山村誠一郎の本は、『子等のさざめき』だけで、『画と画と画』(大正5年)も『見るにも習ふにもよい画集』(大正9年)も記載されていない。 『画と画と画』の「はしがき」に8月の休暇30日の仕事とあるので、山村は学校の美術の教員であったのかもしれないと思う。

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あれとこれ 睫毛(まつげ)の東西

 昨日、江坂天牛書店で買い求めた絵葉書は、雑誌『ガゼット・デュ・ボントン』(1914年)にジョルジュ・バルビエが描いたものである。 気になったのは、睫毛の表現である。1914年にはつけまつげがあったのかなかったのか。 伏せ眼になると、女性の睫毛が目立つという描写は、西洋小説に多かったと思う。 まさに、伏目がちで目立つ睫毛である。 歌麿の浮世絵には、睫毛の表現はない。いつごろから出てくるのか。夢二…

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古本日記 江坂天牛から堂島本おやさんへ

 早朝通院。いつもは金曜に行くが、繁忙期のため土曜にした。いっぱいかと思うとすいている。ドクターによると、たまたまです、ということだが。 フレックス勤務可能なので、いつもは、一番に行って、そのまま職場に直行だが、きょうは、緑地公園までいって、まずはブラックバードブックスへ。 道の雪が凍結していて、何度も転倒しかける。私の年齢では、転倒が大事につながることもあるので、慎重に慎重に歩く。ブラックバー…

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コンパス綺譚

グレゴリ青山『コンパス綺譚』がとどいた。龜鳴屋からできたて。「旅行人」という雑誌に2004〜2007まで連載していた、著者唯一のストーリーマンガ。魯迅や田漢など実在人物が出てくる、虚構の物語。 *さて、3月は、pugyurataさんの『古本乙女の日々是口実』が皓星社から出るそうだ。古本フレンズたちは必ず読もう。

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重箱の隅

 人文学が重箱の隅をほじくるようなものになっているという批判がある。 しかし、わたしは、重箱の隅をほじくるような仕事をしたいと思っている。 文献にこだわっていると、わからないことだらけである。 たとえば、いま、大阪の岡本偉業館という出版社から何冊かの絵手本を出している山村誠一郎という画家に関心がある。 本はある程度あつまったが、経歴等がまったくわからない。もともと、山村のことは本に詳しい古本屋さ…

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日本葉書会絵葉書一覧

 さてこれは何でしょう。 日本葉書会のマークです。 この本の表紙は次のようなものです。 サインから、太田三郎の装幀であることが分かります。木暮理太郎『泰西名画鑑』(明治41年3月、日本葉書会発行、博文館発売)という本です。西洋美術の紹介書で、中身も面白いのですが、末尾の広告が興味深いです。 「日本葉書会発行各種絵葉書一覧」とあります。 北沢楽天と上村松園が並んでいます。また、「水彩」「ペン画」「…

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