美術としての和本

 武蔵美美術館の和本展の図録(2冊本)が届いた。  B4サイズ。大きすぎて、ゆったりひろげられる空間がない。 しかし摺りの過程が解説されていておもしろい。  版面の拡大写真は、明治期の版画にも共通する点があることを示している。

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古本日記 「印象主義的唯美主義」って、の巻

☆出先の帰りに、江坂天牛書店に。 フリーチエ著、外村史郎訳『欧洲文学発達史』(昭和7年12月、鉄塔書院)を見つける。ワンコイン。 ちょうど、西欧の昔の文学史を読んでおかないとと思っていたところ。 目次を見ると、「第七章 十九世紀末のブルジョア社会の文学」に「印象主義的唯美主義」という語が使われている。 次のような規定がなされている。人生及び創作に対する極端に個人主義的な態度、一切の持続的にして堅…

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ふつうの日記 『風俗壊乱』、久しぶりの注文など

◇先月、ジェイ・ルービン先生が同志社女子大で講演されたようだ。書物蔵さんのいうとおり、村上春樹の翻訳者というのが、ルービン先生の表看板になってしまっていて、『風俗壊乱』(世織書房)の著者であるという側面が隠れてしまうのが残念である。また、必ずしも検閲研究だけが中心なのではなく、漱石研究もされている。 今のペンギンクラシックスのSanshiroは、解説は簡略化されているが、前の版(1982年のPe…

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ふつうの日記 ミュシャとマンガ、など

◇Bunkamuraのザ・ミュージアムで「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ」が2019年7月に開催されるようだ。 天野喜孝、山岸凉子とミュシャが並んでいる。ここ。 ◇横浜桟橋については、知人からメールで教示があった。ネット上での図版をいくつか教えてもらう。絵はがき資料館の1枚がここ。 改めてこれまでに購入した絵はがきの束を調べてみると、1枚、横浜桟橋が見つかった。税関桟橋と横浜桟橋は違う…

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亀井秀雄関連の2冊(その8 伊藤整と吉本隆明)

 さて、大学時代の思い出話からはじめよう。同級生の家に何度か遊びに行ったことがある。開かれた家庭で、わたしや同級のもののほかに、夕刻になるといろんな人が集まってきて、夕食をごちそうになり、泊めてもらうこともあった。交流は途切れているが、たぶん、今も元気にされていることと思う。 そうした開かれた感じの家庭というものをはじめて体験し、わたしは感心したのだが、あまり迷惑をかけてもいけないというブレ…

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桟橋が長い長い

 昨日購入の絵はがきの着色版をもっていた。 今日の表題は、発表時は「写生小品」とされた、森鷗外の『桟橋』の冒頭。 桟橋が長い長い。 四筋の軌道が、縦に斜に切っている鉄橋の梁に、長い桁と短い桁とが、子供のおもちゃにする木琴のようにわたしてある。靴の踵や下駄の歯を澨みそうな桁の隙から、所々に白く日の光を反射している黒い波が見える。 冒頭は上記のような文章である。着色版だと、右中央よりの下部に桁が見え…

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古本日記 桟橋を探して、の巻

 身辺片付けてから、兵庫古書会館へ。花隈西口からすぐ。 絵はがき2枚のみ。1枚は横浜港。ずっと木の桟橋が明確に写っているものを探しているがなかなかあたらない。  店番の方が、古本屋でレジがあるところは少ない、マルサが入ることはないなど、景気の悪い会話。  絵はがきは、水の都の古本市が期待できるので、楽しみにしよう。  山側から海側へ、元町商店街を行き、まちづくり会館へ。 いくつか迷うものが…

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古本日記 鴫沢宮の切り抜きの巻

 一時間遅れで、大阪古書会館へ。 オタさんは、転進した後。 古本キングさんにあいさつ。抜き刷りをいただく。感謝。  アジアのところで、『金色夜叉画譜・上』(太田三郎、名取春仙、川端龍子、明治44年12月、博文館)の切り抜きがあることを発見。2冊持っているが、図版用にいいので、春仙、太田三郎の宮像、川端龍子の夜叉に抱かれる貫一像、など3袋を購入。切り抜きといっても、こうして出典が分かっている場合…

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古本日記 ガス灯と獏と梨、の巻

 昨日の日記。 午後に、思い切って文庫櫂に向かう。今月は行くチャンスがないからである。 梅田は人が多い。土曜は平日より和らいだ感じがある。エスカレーターですれ違う人々の顔を見ていてそう思う。  文庫櫂のとなりは工事中。蕎麦屋になるそうだ。  先客さんと交代で1時間ばかり滞留。開店直後にオタさんがあらわれたようだ。  野田宇太郎『瓦斯燈文藝考』。これは、『日本耽美派文学の誕生』とちがう所を確…

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西村熊吉のこと

 ブログ《神保町系オタオタ日記》2018年11月8日の記事「竹岡書店の均一台で摺師西村熊吉の次男亀次郎の遺稿」で、オタさんが「竹岡書店の3冊500円(1冊売り不可)のコーナーでは3日目にしてようやく買えるものがあった」として紹介しているのが、三富秀夫編『亀山遺稿』(旧日本会、大正10年7月)で、西村亀次郎、号亀山の遺稿集であるという。ここ。 なんと、亀次郎は、摺師として知られた西村熊吉の息子であ…

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図解学入門がほしい

 むっちゃ疲れているが気散じのためにブログを書く。  山本貴光氏のツイートをFF外から見ていると、高校で「図解」の授業をするらしい。 図解学入門みたいな本が欲しい。  図ががんばっている本。最近では、読書猿氏の2著か。  わたしも、昔は、少し長めの小説を1枚の図で表現できるか、など考えていた。  下図などいかがか。吉本ばなな『悲しい予感』の解説図。原案を示して、イラストレーターが仕上げて…

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古本日記 垂涎の的、の巻

 帰途、大回りして、夕刻に天三に。 今日は天満から回ったので、先に矢野書店からみる。  堀田善衞を3冊。『夜の森』、『鬼無鬼島』『捜索』、みな帯付きである。  先週、新刊書店で、娘さんが書いた『ただの文士 父、堀田善衞のこと』を買ってきて少し読み始めたところ。作家が専業で食べて行くことの難しさと、まだそれがなりたっていた時代。  『時間』は、岩波現代文庫で刊行されていたのか。  私は連載…

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