亀井秀雄関連の2冊(その4 三浦つとむの汎用性)

 亀井秀雄の『病院ノート 病床における最後の思索の記録』(2018年7月、オピニオン・ランチャー代表亀井志乃)には、ミュンヘンの大学で、「ソシュール以後の欧米言語学界にはなじまないことを知っていたが」、三浦つとむの『日本語はどういう言語か』を使って日本語の授業をおこなったと記されている(36頁)。  吉本『言語美』から遡って、時枝、三浦を読みこんだとき、いろいろなことを考えた。時枝誠記は『国語…

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亀井秀雄関連の2冊(その3 余談ついでに、共同幻想について)

*亀井秀雄『病院ノート」をきっかけにした随想です。  余談ついでに、共同幻想について さて、すべての掟や法は解除しないと人は自由になれないのだろうかという問いかけに、知人は「何でも粉砕!」とこたえたのであった。補足しておくとこの時、わたしも知人も20歳になっていなかったと思う。『言語美』(『言語にとって美とはなにか』)を読んで、さかのぼるように時枝誠記や三浦つとむの著作を読みあさった。『共同幻…

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古本日記 アーサー・シモンズの美術論の巻

だいぶ遅れて、大阪古書会館に。今日は、古本キングさんやオタさんのほうからあいさつされた。おふたりとも収穫ありのようだが、こちらは、目がしょぼしょぼして調子が出ない。 けっこう丁寧に見たが、英文アーサー・シモンズ選集の9巻を500円で(寸心堂)。Studies in seven Artsという題で、ロダン、ホイスラー、モロー等が論じられている。これ1冊のみ。

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亀井秀雄関連の2冊(その2 「自己表出」をめぐって)

「自己表出」をめぐって  晩年の吉本隆明は、『詩人・評論家・作家のための言語論』(1999年3月、メタローグ)で、「自己表出」と「指示表出」について、次のように記している。 人間の言葉にはふたつの側面があります。ぼくの使っている言葉をそのまま使わせてもらえば<自己表出>の側面と<指示表出>の側面です。 たとえば、胃が痛くなって「うっ」とか「痛い!」と思わず口をついてでたとすれば、だれかとコミュ…

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亀井秀雄関連の2冊(その1)

小樽文学舎に注文して、『亀井秀雄の仕事とこれからの文学館』(平成30年6月、市立小樽文学館編、小樽文学舎)と『病院ノート 病床における最後の思索の記録』(2018年7月、オピニオン・ランチャー代表亀井志乃)の2冊を入手した。 つれづれに思うことを書いていきたい。今の時点で書くことの全体がつかめているわけではないので、少しずつ連載していくという形をとりたい。 まずは『病院ノート』から。入院中に…

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ピクチャー消える?

*記事は削除します。理由は私の処置が適切なのものではなかったからです。 現在、ピクチャーを再構築中です。2018/09/22付記。 〈付記、2018年9月22日、午後〉現時点で、いちおう復旧しました。しかし、少し様子を見ないといけません。ドックにアイコンで出ている〈写真〉は、もともとピクチャーフォルダーの中にあります。無知(おそろしい!)のため、ドックアイコンがあるので、これはいらないと思っ…

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日記

◇オタさんのところのリツイートで、ライブドアニュースの《好きな本の写真をSNS投稿する行為…「宣伝になる」「立派な営業妨害」と賛否、法的には?》という記事を知った。 インタビューに答えている法律家は、表紙だけでも侵害になるという見解である。 この見解に従うと新刊の書影が紹介できなくなる。 オタさんは、この記事にひもづけて、中身と表紙を同列にあつかっている点に疑問を呈する新潮文庫編集長のつぶ…

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樋口一葉の稿料

馬場孤蝶の随筆集『野客漫言』(書物展望社、昭和8年9月)に収められている「明治文学者の生活」に原稿料をめぐる話が出ている。 孤蝶は明治29年に『文藝倶楽部』が出るようになってから、「文学舎の稿料がおおよそきまつた」ように思うと記している。 紅葉の稿料は、「一枚二円五十銭」という噂。「破格」だとされていた。既成作家は一枚一円、「中位なところ」では三十五銭程度ではなかったかという。 一葉の『たけくら…

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書名を見まちがう 図版

過去記事《書名を見まちがう》で、古書市で「田中恭吉」と「山中共古」を見まちがえたことを書いたが、写真が出てきた。 遠目には「田中恭吉」に見えるでしょう。

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古本日記 日記を掘り出すの巻

少し前のこと。休日勤務の疲れの気分転換のために、口笛文庫を訪ねる。 毎年、下鴨のあとは長期休店に入るので久しぶりの訪問。 歩けないほど本の山があちこちにできている。 日記を2冊見つける。一つは新潮社の『大正十四年新文章日記』。500円。過去記事《大正8年版の新潮社『文章日記』》参照。大正6年版の最初の刊行時に、漱石の「則天去私」の写真版が載ったのである。 記述はほとんどない。装幀は「ふみ…

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物語要素事典

《大塚八坂堂》が神山重彦『物語要素事典』に言及している。私も出たときに購入し、時々思い出したように見ることがある。 *オンライン版はリンクフリー。ここ。  《大塚八坂堂》さんは、「物語要素」という語が、もともと折口信夫に由来すると指摘している。 神話学の松前健先生は、ラグラン卿に始まり、レヴィ=ストロースに至る神話の構造分析の流れのなかで折口の貴種流離譚を理解していた。 私は、「物語要素…

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文学フリマに行く

OMMで開催された文学フリマ大阪に知人と行く。在野研究者になったら、エントリーして、出品したいので下見も兼ねている。 10時半に待ち合わせ。サンマルクで珈琲を飲んでから、5分前に2階の会場へ。エレベーターのファサードのところを開けて行列ができている。最初は、前の行列に並ぶが、エレベーターエントランスの後ろの行列が最後部と聞いて並び直す。行列は20メートルぐらいか。オタさん見えず。定刻に入場開始…

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上野顕太郎の受賞をよろこぶ

ギャグ漫画家の上野顕太郎氏が『夜の眼は千でございます』で第21回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞を受賞したそうだ。過去記事《上野顕太郎を思い出す》参照。 ここに、トークイベントの紹介がある。リンクが切れないうちにどうぞ。

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日記

13時過ぎの風はすごかった。窓ガラスがビリビリ震えていた。周辺は大丈夫のようだが、海側ではたいへんなようだ。 停電しなかったので終日仕事の準備で過ごす。風を気にしているとこわいので。 いちおう厚手のカーテンをしめ、窓際には近寄らないようにした。 室戸台風の時は、大人たちが畳をあげて窓を押さえていたような記憶がある。

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メモ日記

◇縮刷版のことが気になって思い出した。ツイン21で、荷風の『荷風傑作鈔』の縮刷版があったのだ。スルーしてしまった。ああ、縮刷版ね。これこれこういういきさつではじまり、○○年ごろに一般化したよ、とかすぐ教えてくれる人がいるといいなあ。 ◇中公文庫版、高浜虚子『俳句の五十年』。明治21年、15歳の時、回覧雑誌『同窓学誌』を出した。碧梧桐との出会いのきっかけ。

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