木下杢太郎の復習

 事情あって、木下杢太郎について勉強の復習を始めた。 『目でみる木下杢太郎の生涯』(昭和56年10月、緑星社)。文学アルバムとしてよくできている。生涯の輪郭がすっと頭に入る。実家の米惣(こめそう)は、米問屋から始めて、雑貨や書籍もあつかったという。木下杢太郎(太田正雄)にとって〈家〉の問題はおおきかった。  キリスト教から天理教に改宗した姉きんの存在が大きい。文学者となることを断念させ、夫の先…

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『遠野物語』関連

 ヤフオクで『遠野物語』が出て話題だったので、過去記事まとめておきます。《『遠野物語』は白い?》《復刻版『遠野物語』は赤くなかった!》《赤い本・追記》《赤い本》

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新刊日記 谷口ジロー『いざなうもの』

 谷口ジローの遺作集『いざなうもの』(小学館)。 予想したよりも。はるかによかった。 自然の主(ぬし)を少年が救う『魔法の島』は、ファンタジーの定番だけれども、泣きそうになった。  ハーンを主人公にした『何処にか』の2編もよい。 『茶碗の中』は、茶碗の底にあらわれた顔の侍が現実にやってくるという話で、結末が欠けている。小林正樹の映画『怪談』では、結末が付け加えられていた。谷口作品では、ハーンが…

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古本日記 文庫櫂で展覧会の続きをの巻

 これは昨日の日記。 家事と仕事をいい加減で切り上げて、文庫櫂へ。御堂筋線本町で中央線に乗り換え。堺筋本町で堺筋線に乗り換えて恵美須町へ。 仕事カレンダーを見て、今日しか行けないかもしれないと、考えた。 先客さんお二人。店主と話しつつも、目は棚の本の背を追う。いい絵入り本はないですか、とたずねると、出てきたのが、三六版の、女性画家梶原緋佐子の歌集『逢坂越え』(大正13年4月、東山書房)。昨日、岡…

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「岡本神草の時代」展感想

 昨日は京都国立近代美術館の「岡本神草の時代」展へ。金曜は17時過ぎると、800円に。段取り悪く、先に山崎書店を覗くべきだった。帰途寄るとちょうどしまるところだった。とにかく、早く見たいという気持ちがあるので.時間配分をあやまった。 館内はちょうどよい混み方で、見る人の熱気も伝わってくる。『月映(つくはえ)』の人たちと同時代だと思ってみていくと、竹久夢二の模写がある。  図録の解説文、上薗四郎…

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全集内容見本

 オタさんのところで、代価100円の全集内容見本がわき出てくるのをみて、故森本修氏のことを思い出した。 芥川の伝記研究で知られる氏は、内容見本の書誌的重要性について指摘していて、蒐集もしていた。そのことは、谷沢永一『完本紙つぶて』でふれられている。 さて、このコレクションがどうなったかは、門下の方の追悼文に記してある。 ここ。

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雑誌『藝文』のこと

 小磯記念美術館の藤島武二展には、藤島が表紙を描いた『藝文』という雑誌が展示されていた。 過去記事《佐々木なにがしの傑作『薬草採り』とは?》で紹介した、作家長田幹彦が「ネオ・ロマンティシズムの全作品を通じて僕が今でも一番高く評価しているのは、「藝文」という雑誌に出た佐々木という人の「薬草採り」という作品である」という発言に出でてくる『藝文』のことだと思った。  所蔵している愛知大学図書館のデー…

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古本屋に行く人、行かない人

 今日は書きものにあてるために、机の前にすわっている。が、1字も打っていない。やれやれ。なんとか、すこしでもすすめねば。 古本屋にいっている人が羨ましい。オタさんも神戸を訪問しているらしい。  研究している人で、古本屋によく行く人は私の周囲では少ない。ある人は、全部ネットだという。海外研究の人も、海外で古書店に行くかと聞いたら、ABEbooksばかりだという。  私が古本屋通いの回数が増えた…

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中山千夏の新刊!

 出ました。早く読みたい!! 中山千夏『活動報告 80年代タレント議員から162万人へ』(講談社)。ここ。 162万人は、この人が参議院議員に初当選したときの獲得票数。 おもしろそう。  わたしは、この人の文章が大好きである。  この本が売れて、文庫でセレクションが出ることを期待しよう。

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藤島展から帰ってきて

 『中学世界』の表紙画。 たしかに、TF(藤島武二)のサインがある。 『はな』(川上瀧彌、森廣、明治36年、3版)も出てきた。展示のは紺色のものであった。

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藤島展に行く

 疲れているが、小磯記念美術館に藤島武二展を見に行く。 東京では図録完売だったらしいが、ちゃんとあった。 「グラフィックデザイナーの先駆者」という章がある。 雑誌『中学世界』の表紙をやっていたとは知らなかった。 《うつつ》は下絵に引きつけられる。指とか顔の線が明確だからだろうか。 《台南聖廟》の赤壁のタッチはすばらしい。 《神戸港の朝陽》は、ホイスラーを思い出す。これが「ジャポニスムの里帰り…

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古本日記 仕事終わりに2ヶ所は無理の巻

 これは25日の分の古本日記。 朝から仕事。一段落して、座業をして4時前。この時点で、あべのフープはあきらめる。見たい本があったので、大阪天満宮まで出て矢野書房に。おいしそうな餃子定食屋さんができているが、開店は月曜からとのこと。チェーン店系なのかなあ。 エンゼルも駄楽屋も目の端に見ながら時間がないので、矢野に直行。目当てのものは背に少し痛みがあったので断念。金尾文淵堂の『畿内見物 大和の巻』が…

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古本日記 電車がスーッとの巻

 これは24日の分の古本日記。 朝夕通院で、まんなかはもちろん仕事。夕方の通院が予想より早く終わり、時計は6時5分。どうしようか考えていると、神戸方面行きの電車が入ってきたので、よし六甲道へ。 口笛文庫へすべり込み。 この店では、ふだんの好みと少しずれたものが買いたくなる。 まず、平野威馬雄『枠外の人々』(昭和53年、白夜書房)。書名にひかれたのだが、「がいこつばなし」などおもしろい。  次に…

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