三宮駅前古書店

昨日、役所によった帰りに、三宮駅前古書店をたずねる。 中央口、東口になじみがあるので、見つけるまですこしかかっったが、JR三宮の西口を降りて海側の高架下ですぐわかる。 音楽や芸能の棚がけっこうある。 谷崎『摂陽随筆』を1野口で。これは、装幀を比較するために3冊目の購入である。油染みはけっこう出ていた。パーツに分けて、できるところから原稿を書かなくては。

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『新美文断錦』

サイニイで学位論文を調べたところ、〈美文〉そのものを正面からとりあげたものはいまのところないようだ。本がどの程度出ているかわからないし、コンテンツがすごくおもしろいというわけでもないので、学位論文を書くのはたいへんだろう。しかし、言文一致との関係や、教育課程での古典教育との関連など、研究課題はある。 〈美文〉は、文学的な文章を包括的に示す場合もあるし、修辞を凝らした擬古文をさす場合もある。塩井…

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『ロセッチの詩』

『ロセッチの詩』小笠原無絃訳、明治38年10月15日発行、昌平堂川岡書店。裏表紙の社章は、蜘蛛の図案である。 末尾の「閃光」という一編。時空を超えた愛というロマン主義的な幻想。 何時か、如何か、え言はねど、そのかみ此処にありけらし。われは知るなり、戸外の草もゆかし鋭き汐の香も、かすかにさやぐ波の音も、ひかる磯曲の真砂路も。 幾世むかしか、知らねども、汝れはわが妻なりけらし。思へば、汝れがつ…

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気になること

理系のポスドクの方がいろいろ苦労して、データサイエンティストとして自立する話。ブログ《六本木で働くデータサイエンティストのブログ》の「研究者を辞めた時のこと、そしてその後のこと」という記事。以前1度読んだ記憶があるが、再読して気になったのは、次のような記述。 ちなみにこれまた後年になって知ったことですが、上記の旧ブログによる「エセ脳科学」批判も当時の一部のお偉いさんの間では「せっかく予算を分捕…

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「ミュシャと日本、日本とオルリク」展瞥見記

 千葉市美術館で、本日から「ミュシャと日本、日本とオルリク」展が開催される。  昨日は内覧会で展示を見たので、内容を紹介したい。  うれしいことに、図録は書籍化されて『ミュシャと日本、日本とオルリク』として国書刊行会から刊行されている(354頁、2500円+税)。すでにアマゾンでも書影があがっている。 昨日、帰途の車中で一気読みした。展示を見た記憶をたどりながら、書籍図録でページをくって図版…

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古本日記 お城は見えるが空振り

 ツイン21の古書市に。勘違いして、昨日危うく行くところだった。  5分前に着。2周回るも何もなし。  古本キングさんにあいさつするが、おたがい手に何も持たず。 今年の下鴨について聞いてみると、福田屋の洋書がよくてたくさん買われたそうだ。研究者が亡くなって蔵書が出たということだった。  今回は黒っぽい本を求めている人には不作だったようだ。  でも、たくさん本をかかえている人も多い。  …

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古本日記 雨の中を

空は明るいが、雨の中を30分遅れで、大阪古書会館に。 この時期は、体調が不安定で、しきりと汗が出る。そんなときは、本の背中もよく見えない。 絵葉書や雑誌は、エネルギー低下のためにあきらめる。 矢野のところで、鷗外がけっこう出ていた。翻訳集『蛙』(大正9年6月、玄文社出版)をひろう。「はしがき」に悲痛な言葉が。「わたくしは老いた。」「わたくしは蛙の両棲生活を継続することが今既に長きに過ぎた。…

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古本日記 台風のあとで

 16日、ちょうど通りかかったので、阪神夏の古書ノ市へ。10時過ぎに入店、お客は少ない。  新しめの本によい本があるが、それらはスルーして中澤臨川の遺稿集『嵐の前』(大正10年1月15日初版、2月28日5版、改造社)を見つけた。300円。  この人は、天狗倶楽部の一員。 表題作はニーチェを主人公にした小説。『曙光』執筆後、エンガデンに引きこもったニーチェが、ルー・アンドレアス・ザロメと出会い…

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好文会同人著『文集彩雲』

 下鴨古本祭りの初日に100円で購入したのが、好文会同人著『文集 彩雲』(大正5年1月、精華堂書店)。 クロス装で、開きやすくなっていてよく読まれたという感じの本。精読したわけではないが、ざっと見ていろいろなことが連想されたので、書き記しておく。 好文会というのは池辺義象がはじめた文章愛好会のこと。大町桂月の序文に次のように記されている。明治二十年頃までは、漢文直訳体、もしくは欧文直訳体の文章、…

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コーヒー・フロート

 これは、通勤の駅なかの店のコーヒー・フロート。 ソフトクリームがのっている。 タイル状の氷が敷き詰められていて、クリームはコーヒーと接触しない。 ストローをさすのがたいへんであるが、猛暑の日はこれが必要。  コーヒーにバニラアイスがじゃぼんとつかるのはすきではない。  タリーズのある店では、コーヒー・フロートを注文すると、アイスを別にカップに入れましょうか、と聞いてくれる。 アイス・コーヒ…

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古本日記 墓参から墓参へ

 古本日記は控えているのですが、たまにはよいでしょう。 昨日のことです。 遅れそうになったのでJR新快速で京都へ。5分前に糺の森入口到着。  昨年は奥から回ろうとして失敗したので、今年は正攻法で。 ある店のブルーシートがめくられるところから。  あとで、反省したのは、過去の記憶にたよらないほうがいいということ。 たしかに古本屋さんには得意分野があるが、市の仕入れや買い取りでどんな本が入ってい…

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神保町のオタさん 「本のすき間」を探るひと(後篇)

「神保町のオタさん 「本のすき間」を探るひと(後篇)はここ。 わたしも2005年からブログを始めていたら、もっと早く古本好きの人たちからいろいろ学べたかもしれない。 〈もうじき老齢在野研究者〉になる身としては、本の隙間にはとどかないが、表面だけでも紹介していこうとは、思う。

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河端ジュン一『顔のない天才 文豪とアルケミスト ノベライズ CASE 芥川龍之介』

 文庫新刊の棚にひっそり置かれていたのが、河端ジュン一『顔のない天才 文豪とアルケミスト ノベライズ CASE 芥川龍之介』(2019年8月1日、新潮文庫)。タイトルに書いてあるので、すぐオンラインゲームの「文豪とアルケミスト」のノベライズ版だとわかった。「文豪とアルケミスト」は、架空の図書館の書物が侵蝕者におかされて黒く染まってゆくのを、転生させた文豪が書物の内部に潜り込み、敵を倒して本文を…

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