高橋律子『竹久夢二 社会現象としての〈夢二式〉』

   通りがかりに、話題のメガ書店に立ち寄る。空を見上げて書店に入店するなんて、ちょっとないことだ。 まっすぐ、美術書の階に向かう。高額本がならんでいるのは、他店と違うところかもしれない。中央公論美術出版の何冊か(東京文化財研究所/小杉放庵美術館 編『木村荘八日記(明治編)』、東京文化財研究所編『黒田清輝著述集』、永井隆則『セザンヌ受容の研究』)の中味を確かめることができた。高額本の中味を見ると…

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1,980円!(その2)

 小津のなぜか、10本ではなく、9本セット(コスミック出版、『小津安二郎大全集』)。第一作を入れてくれたらよかったのに。 『風の中の牝鶏』を見てみたい。

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新刊と古本

 新刊と古本の両方がおいてある書店がある。さぞかし、便利かというと、自分の場合、そうはいえない。 いや、新刊を買う時と、古本を買う時は、微妙に気分が違うのだ。どんな本が出ているのか、新刊を見る時は、いまを感じたいし、心に響く本があればすぐ買いたい。古書は、すぐ買おうとして見るものではない。自分の心の閲歴をたどりながら、必要な本をさがすのが古書店の楽しみだ。なんだか、うまくいえないが、新刊書店と古…

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今年の本(番外)

 今年の本といっても、今年出るはずだった本のことである。 ついに出なかったなあ。世織書房のジェイ・ルービン著『風俗壊乱 明治国家と文芸の検閲』である。 東京都の条例のこともあるし、早く出てほしい。ほんとうに、世織書房さん、頼みますよ。  まあ、2011年初頭の楽しみにとっておこう。

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今年の本(その2)

 グスタフ・ルネ・ホッケ著、種村季弘・矢川澄子訳『迷宮としての世界 マニエリスム美術・上』(2010年12月、岩波文庫)。  ハードカバーは、1966年2月、美術出版社より刊行されている。箱裏には、三島由紀夫が推薦文を寄せ、「マニエリスムの再評価は、われわれがデカダンスの名で呼んできたあるものの怖るべき生命力を発見し、人類を震撼させるにいたるであろう」と述べている。  この本や、同じ…

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木下杢太郎『印象派以後』の図版

 かねて、明治大正期の雑誌や書物がどのように美術図版を紹介したきたかについての、総覧のようなものがあれば便利だと思ってきた。でも、なかなか一朝一夕には行かない。こういう作業は、共同で行うと効率的だろうと思うが、まずできるところからとりかかっておくのもよいだろう。 木下杢太郎『印象派以後』(大正5年10月、日本美術学院)は、美術批評家としての杢太郎の代表的著作である。        口絵一葉…

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今年の本

 今年、印象深かった本。 宮芳平著、堀切正人 編・注『宮芳平自伝』(2010年4月、求龍堂)。 森鷗外の小説『天寵』のモデルであった画家宮芳平の自伝。選考委員の鷗外のところに、文展落選の理由を尋ねにきたのが、若い画家宮芳平であった。 落選した《椿》を制作しながら、次のような感懐が記されている。おれの描こうとしたのはおれの幻影だ。現実の姿は幻影に通じない。モデルなんか無い方がいいのだ。どこまでも空…

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Howling at the Moon

  ずいぶん、まえに買って忘れていた本。  Howling at the Moon: Poems and Prose of Hagiwara Sakutaro,Green Integer.2002.             萩原朔太郎の詩と散文の英訳。訳者は Hiroaki Sato という人。『月に吠える』、『青猫』およびその他の詩、散文詩、…

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