生誕120年記念恩地孝四郎・藤森静雄

 和歌山県立近代美術館で、コレクション展「生誕120年記念 特集恩地孝四郎・藤森静雄」が、6月28日から9月4日まで行われる。       *左が恩地《キリストとマリア》1914年、右が藤森《さみしき生のうた》1914年  藤森静雄の版画は、色彩や構図が美しく、何点が展示されるのかわからないが楽しみである。    

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『ローマ字日記』と名刺

 石川啄木が『ローマ字日記』を書き始めるのは、1909年4月7日からで、新しい黒クロース装のノートが使われた。ただし、「明治四十二年当用日記」の4月3日の項に、北原白秋の使いの者が詩集『邪宗門』を届けにきたという記事があり、6日まで、ローマ字で記述されている。  ただ、それ以前にも、「明治四十一年日誌」にも、ローマ字の記述はあらわれる。浅草凌雲閣の近辺の、いわゆる十二階下の私娼街の娼婦の名…

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『風俗壊乱』反響(その3)

 ジェイ・ル-ビン著『風俗壊乱 明治国家と文芸の検閲』(世織書房)の書評が、5月29日の「東京新聞」に掲載されたようだ。紅野謙介氏の執筆。  今なら、下記サイトで読むことができる。  http://www.tokyo-np.co.jp/book/shohyo/shohyo2011052901.html  短文ではあるが、本書の特性を十分にとらえてくれている。  いくつかの…

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石川啄木のキンキン声

 ちくま文庫版、森於莵『父親としての森鷗外』(1993年9月)を読んでいると、観潮楼歌会にふれて、次のような記述があった。おでこの石川啄木は故郷の山河に別れて間のないころであったろう、頭に浮んだ歌を特有のキンキン声で口ずさむと父が大声で笑う。 また、次のような記述もある。石川啄木は特色のある歌を読む人として別の意味で父を喜ばせた。同氏の疳高な調子はこの集りの中でも特別で階下まで響いた。「こそこそ…

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世織書房新刊広告

 やっと、世織書房の新刊広告が更新された。  http://homepage3.nifty.com/seori/  『風俗壊乱 明治国家と文芸の検閲』の詳細目次・内容がわかる。   http://homepage3.nifty.com/seori/contents/978-4-902163-59-9.html  同時期に刊行された、舘かおる編『女性と煙草の文化誌…

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Grapefruit

 Yoko Ono( オノ・ヨーコ)の Grapefruit の1970年版(Simon and Schuster)。  扉には、A book of instruction by Yoko Ono とあるので、インストラクション・アートの指示を本にまとめたものと考えられる。「現代美術用語辞典」の暮沢剛巳氏の解説を引いておく。インストラクション・アート Instruction Art …

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版画の描線(2)

 『表現主義版画集』(図案資料叢書・第四輯、大正14年1月、洪洋社)からの一葉。一箇所ひもとじの簡単帙に、無綴で30枚の版画が収められている。編者は田邊泰という人。         13頁の《ホルツシュニット夫妻》(1915)。作者はフェリックスミューレル。  女性の髪や額、あごからくびにかけての、すいた線は、陰影を示しているととれるが、男性の顔の線は、なんだろう? こんなシ…

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伊吹マヤのショートヘア

 行きつけの書店は、人文書の棚のとなりがコミックのコーナーになっている。閑散とまではいかないが、ずいぶん静かになった。書店の活気が、昔ほど感じられないのはさびしいことだ。  ふと、平積みの『新世紀エヴァンゲリオン公式ガイドブック』(2011年4月、角川書店)が目についた。貞本義行のコミック版は、まだ結末に至っていないようだ。キャラクターのデザイナーから、コミックを描いた事例は珍しいという。…

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Perigee Books版Sanshiro

 Perigee Books 版 Sanshiro がとどいた。 ルービン氏の解説 Sanshiro and Soseki:A Critical Essay  は、30頁以上もある。        A Critical Essay というタイトルは、簡単そうで訳せない。Study とはちがうということだろうか。  「森の女」についてなんと書いてあるか…

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『風俗壊乱』反響(その2)

 いくつかのブログが『風俗壊乱 明治国家と文芸の検閲』(世織書房)を紹介してくださった。okaz ; catch up later !  4月24日  漁書日誌ver.β  4月22日 書物蔵:古本オモシロガリズム  5月3日 *5月5日には拙ブログにふれていただいた。 晩鮭亭日常 5月3日 版元が小さな出版社で販売力があまりないので、ありがたいことである。  

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