日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その2)

 さてお待ちかねの(?)学問ラノベ『日本注釈学院青春記』「共同幻想の巻(その2)」。  「共同幻想の巻(その1)」はここです。     日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その2)  丹羽とわたしは、備え付けの小型ウェットティッシュで指先をぬぐうと、書見机の向かいにある書物取り出し口にむかった。みどりのランプが点灯すると、「ミュー」という猫の鳴き声のような音がして、書物取…

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渡辺文子のサイン

 《daily-sumus》さんが、「女優マチネー番組表」という記事の後半で紹介している、レート化粧品の広告のまるに文の字のサインは、渡辺文子のものだ。  及川益夫『大正のカルチャービジネス』(2008年5月、皓星社)に出ている。  記事「日本美術学院、渡辺文子」。  

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草子ブックガイド①

 どこかの誰かのブログで推薦してあり、病院帰りの書店で見つけた。  玉川重機『草子ブックガイド①』(2011年9月、講談社モーニングKC)。帯裏。           電車内と、美しい夫人がいるカフェで読了。  草子(そうこ)のヘアスタイルと、古書店、青永遠屋(おとわや)の飼い猫、しおりの凶眼(?)がよい。  猫のしおりのグッズがあったら購入するかも。  ブックワー…

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恩地孝四郎の伝記

 三月書房さんからの情報。池内紀の『恩地孝四郎―一つの伝記』(幻戯書房)が4月早々に刊行されるようだ。   ずいぶんまえに雑誌『ちくま』に連載していて、そのコピーは所持している。最近は軽めの本が多いので、これはまとまらないのかと思っていた。「15年前の筑摩書房「ちくま」の連載をほぼ捨て去り、著者渾身の評伝いよいよ完成!」ということらしい。  恩地といえば、竹久夢二への傾倒があり、『白…

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本が呼んでいる

 ああ、本が呼んでいる。仕事、山積みで読書もままならぬ。 ◇『前衛の遺伝子』「第5章 反シュルレアリスムの美学―『原理日本』に見る前衛芸術弾圧の思想的背景』」で取りあげられている田代二見という人物。個性主義の超克をダダイズムやプロレタリア美術に見出している。足立氏は「日本のファシズムの美学は、あくまで個性主義に基づこうとする日本のシュルレアリスムを批判したことで、結果的には一面でシュルレア…

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台湾の大書店

 『書標』2月号の表紙の写真に見入ってしまった。   表紙裏の解説(能勢仁)によると、台中の中友百貨店内にある、誠品書店で、10、11階を4層に分けているという。  わたしが、しばらくこの書店の風景に見入ってしまったのは、日本が失いつつあるかもしれない、輝きと活気が感じられたからである。

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日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その1)

 さて、学問ラノベ『日本注釈学院青春記』、「共同幻想の巻」の第1回。全部書いてから、と思っていたが、いつになるかわからないので、とりあえず書いた部分を公開する。      日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その1)  西校舎の隅にあるカフェ想古亭には、紫外線カットのガラスをとおして午後の柔らかな日差しがふりそそいでいた。自然光をおぎなうLEDの照明が自動的に明るさを変え、ノートの文…

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細雪 下巻

 『細雪』3巻本は、家にたった一つしかないガラス扉つき書架に収められていた。  そのころミナミにあった天牛書店に売ってしまった。いくらだったかおぼえていない。  ゆえあって、古書で買い求めた。そんなに高くない。  上巻は、くずれそうなので、刊行年の新しい下巻(昭和23年12月、中央公論社)を紹介しよう。  上から、箱、表紙、扉、最終…

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