出ました!
『別冊太陽 日本のこころ195 石川啄木 漂泊の詩人』(2012年4月、平凡社、2300円+税)。
「詩人」とあるのは、いいですねえ。
わたしが最も好きなのは次の一首。考へれば、ほんとに欲しと思ふこと有るやうで無し。煙管をみがく。
50頁をごらんください。
音楽数珠つなぎ
ふだんは音楽はまったく聴かない。けれど、よっぽど疲れているのか、いろいろ聞こうという気持ちがある。
アバの次は、グールド。
その次は、ボサノヴァ名曲集。
それから、シルヴィー・ヴァルタン。この人はちょっと年とってからがいい。 たとえば、Des heures de désir。
ついでに、レオ・フェレの『悪の華』。
難聴になったことがあるので、イアホンは禁…
『風俗壊乱』反響(その20)
『国際啄木学会研究年報』15号(2012年3月)に、ジェイ・ルービン著『風俗壊乱 明治国家と文芸の検閲』(2011年4月、世織書房)に関連するものがいくつか掲載された。
まず、吉田直美氏の書評。 何より、この本を読みながら魅了されたのは、ジェイ、ルービンその人の日本近代文学に対する読みの深さと的確さである。有名な文学者達はもちろんのこと、私たち日本人がもうほとんど手にすることもなくなっ…
自然眉
◇梅ちゃんの自然な眉は見ていてほっとする。自然なふうに手入れしてあるのかもしれないが。我がヒロイン瀧島里もこんな感じでいきたい。いいかげん5回目を書かないと。
◇仕事の波が寄せてくるので、珍しく音楽を聴いている。『アバ・ゴールド』を繰り返し聞いている。アグネタの高音に張りのある声が目立つが、繰り返し聞いていると、アニフリードの低めの声も魅力があることに気がつく。Dancing Queenは…
京都の夢二学校
asahi.comに次のような京都府立図書館に関する記事(2012年4月19日)が載っていた。「おでかけポケット」という企画記事である。 100年を超える歴史がある府立図書館(左京区岡崎成勝寺町)。明治時代に設計された洋館の面影を残す建物の内部には、110万冊の蔵書と機械化された書庫がある。その舞台裏を案内してもらった。 「竹久夢二が館に寄贈してくれた本もあるんですよ」。大正時代の代表的な画家…
お知らせ
別冊太陽の新号が没後100年の石川啄木の特集を組んでいる。
25日過ぎには店頭に並ぶのでは。
短歌の鑑賞を書いた。老舗の雑誌の玄関口をまかされることなどめったにないので、普通の人々に啄木の歌の魅力が伝わるように工夫した。とんがりすぎず、ありきたりにならないように注意をはらいながら。
タイトルは「人生という小宇宙」。
個別性と普遍性が融合した啄木の歌の魅力をあらわ…
あれ、アレー
過日、いつもの走り買いで、某地下街の古書店で、出帆社版(1975年11月)のアルフォンス・アレー著、山田稔訳『悪戯の愉しみ』を見つけた。ワンコインだった。
《daily-sumus》さんがすでに「悪戯の愉しみ」で、福武文庫版その他を紹介しているので、いろんな事情についてはそちらをごらんいただきたい。
久里洋二の装幀と挿絵である。
推測だが、久里が起用され…
『共同幻想論』文庫版カバー
上は、初めて文庫化されたとき。昭和57年の角川文庫。デザインは杉浦康平・赤崎正一。帯は「戦後思想の金字塔」で、まだ、「巨人」ではない。
「きみは国家がまぼろしだと気づいているか!」という帯文は、ちょっと笑えるかなあ。左折り返しのサクラマークの中の「絵にも描けない面白さ」というのは、ブロックバスター路線を突っ走っていた頃の広告戦略か。
下は、最…
春の小さな別れ
さて、近所のコンビニのリニューアルは、やはり、店長交代であった。なじんだパートの人はひとりもおらず、レジで必ず、「ポイントカードはすぐおつくりできますが」とマニュアルどおりの対応をされるようになった。おそらく、ずっと永遠に聞かれるような気がする。
旧店長はそこそこ年輩で、繁盛店だったので、余裕のある引退だと推測できるのだが、やはりさびしい。パートさんたちは、新しい働き口を見つけただろう…