エーテルの花

 詩集『月に吠える』の挿画の一つで、中扉に使われているもの。  詩集の挿画目次では、「室に咲くエーテルの花」とあるが、もととなった作品はペン画で、左側に「詩集/そらに咲くエテルの花/MIKAEL PESTAROCH」という文字が記されている。おそらく。「室」は「空」の間違いだろう。 〔付記〕恩地孝四郎「挿畫附言」では、「扉にしたものは小さいアイボリ紙にかいたもので詩集空にさくエーテル…

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田中恭吉展反響③

 《雀隠れ日記》さんが、「死の自覚 鮮烈な存在感に」で、msn産経ニュースの「生誕120年記念 田中恭吉展」の記事を紹介している。 また、朝日新聞My Town和歌山の「生誕120年記念 田中恭吉展」紹介記事も。「早世の画家 心の軌跡」 ◇《三月書房》さんが、9月新刊で『田中恭吉 ひそめるもの』を取り上げている。

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お知らせ

 田中恭吉展、講演。『田中恭吉のひみつ 画材と表現』10 月8 日(月・祝) 坂本雅美(紙本保存修復家)  14:00~ 和歌山県立近代美術館2 階ホール gooニュースの「知られざる“紙フェチ”、紙本保存修復家・坂本雅美(1)」(2009年7月20日(月)11:00)から、一部引用しておこう。紙本保存修復家。「絵本、と何度読まれたことか。」坂本雅美さん(46)は、苦笑いする。そう、絵本ではなく…

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本の事故

 注文していた古本が届く。きっちり梱包されている。セロテープで留めてある。慎重にはがして本を取り出す。そのとき、セロテープが表紙にくっつき、あわててとろうとすると、表紙の表面がはがれてしまう。あ。  人に本を貸すと、かわらせんべいのように湾曲して返ってきた。え。  本が家中にあふれていて、食読接近の状態となり、真新しい表紙にうどんの汁などがピッとついてしまう。う。 …

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田中恭吉展反響②

 ブログ《芦屋芸術》に「田中恭吉展」(山下徹氏)という記事がアップされている。 ◇《雀隠れ日記》さんが、検閲係長が、ベルグソン、オイケンの流行にふれた発言を見つけている。「大正三年に於る出版界の概況」。

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田中恭吉展反響

 ブログ《Mucha-holic》さんが、「生誕120年 田中恭吉展」という記事をアップしている。  展覧会の見巧者というか、ポイントをついているので、これから見る人にもきっと参考になる記事だ。  図録はないが、『田中恭吉 ひそめるもの』(玲風書房)が刊行されたことは大きい。《Mucha-holic》さんは、「田中恭吉や「月映」周辺の再評価というのは、案外新しい話なんだなということが…

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ビアズリーと『月に吠える』

 恩地孝四郎宛書簡(一九一六〔大正5〕年一〇月中旬)で、萩原朔太郎は次のように記している。今度の出版は私一人の詩集でなく、故田中氏と大兄と小生との三人の芸術的共同事業でありたい、少なくとも私はさう思っている。それ故、普通の出版物の表装や挿画を画く画家と筆者との関係のやうに非肉交的(芸術上で)の無意味のものでなくありたいと思ひます。それ故、大兄からは大兄自身の画集を出すときのやうなわがままなご注文…

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田中恭吉展記念グッズ⑥

 クリアファイルから。  ペン画《飛び去る前》 回覧雑誌『密室』8号 1914年。 ペン画によって、恭吉の線は多様に展開した。  《飛び去る前》では、植物の先端から小さな昆虫が飛び立とうとしている。広げられた外羽根のまわりには、羽根がふるえていることを示す線が書き添えられている。マンガやコミックではよく使われる手法だ。  恭吉のペン画には、動き、つまり時間の経過が表現されている…

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恩地孝四郎と寺山修司

 寺山修司が編集した「半世界」の特集。この雑誌を見たときは、「反世界」のまちがいでは、と思ったものだ。しかし、いまは、こうした着想はある意味で、自明のものとなりつつある。  寺山は、解説として掲げられた「半世界 受け手の表現 イントロダクション」の冒頭に次のように記している。 作者は世界の半分を想像する。 あとの半分を補完するのが、受け手側の創造というものである。表現は相互作用によってのみ…

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田中恭吉展記念グッズ⑤

 今回の田中恭吉展にあわせて、恩地孝四郎関連のグッズも新たに作成された。  「恩地孝四郎 便箋」5種類×各3枚、計15枚。500円。恩地孝四郎の木版画《抒情》シリーズから。  版画の印刷された裏面が、罫の入った便箋となっている。  これという手紙を書く時(どんな時?)いいかも。  恩地孝四郎の、『月に吠える』の挿画も《抒情》というタイトルだが色の重なりがおもしろい。 …

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