お知らせ

国際啄木学会2012年秋のセミナー 日時・場所:2012年11月23日(金・祝) 明治大学駿河台校舎研究棟4F会議室 「啄木没後100年、『悲しき玩具』発刊100年記念、『悲しき玩具』の多面的考察」 13:00-13:05   開会、会長挨拶(望月善次会長) 13:05-13:20   台日文学者交流会報告(森義真事務局長) 13:20-13:50    ミニ…

続きを読む

足を拭く女

 角川文庫のアンソロジー、『BUNGO 文豪短篇傑作選』(2012年8月)は、冒頭が森鷗外の『高瀬舟』で、次が谷崎潤一郎の『富美子の足』である。すごい落差だ。  『富美子の足』は画家小説でもあったのだ。質屋を稼業にしていた「隠居」が語り手である若い画家に、囲っている富美子という女の絵を描かせようとする。隠居は、柳亭種彦の『偐紫田舎源氏』の国貞の挿画の一枚と、同じポーズの絵を所望するのだ。こ…

続きを読む

あった! 土岐哀果の『月映』評

 公刊『月映』が刊行されていた時期の雑誌『生活と藝術』(土岐哀果主宰)をざっと調べてみたら、『月映』についての言及が見つかった。 大正4年4月号の「新刊」欄に次のような記述が見出される。    □死によりて挙げられたるる生  田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎三氏の画と詩とを集めてある。こんどの一冊はすべて藤森氏の愛妹の逝去を傷んで、その美しく若い霊にデヂケートしたものであるため、全巻を…

続きを読む

世事見聞

  一昨日。カップルがマクドから出てくる。二人とも自転車。雨が少し前まで降っていた。今はあがっている。   男性が、濡れている女性の自転車のサドルをタオルでさっと拭く。女性ひとこと。 「なんでこんなんもってんの?」

続きを読む

『遍路』という歌集

 某文庫で、はっと思ったのが、石川宰三郎の歌集『遍路』(大正3年7月、南北社)である。帰ってきて調べると、某古書店に出ていたのでさっそく購入。  はっと思ったのは、『月映』の影響が見られたからである。こういうのは、書誌にはひっかかってこないので、一見にしかずということになる。  歌は、感傷的でそれほど特色のあるものではない。目次裏に「廣川松五郎」と「石原玉吉」…

続きを読む

『柚子の種』

 土岐善麿のエッセイ集『柚子の種』(昭和4年11月、大阪屋号書店)。  扉のうらに「恩地孝装釘」とある。  「明治短歌の一面」、「啄木の晩年」、「上代歌謡の性的鑑賞」、「航空文学論」など、力作を集めたエッセイ集である。記憶では、300円だったと思う。  「私情を述べる」の一項に、大熊信行の『社会思想家としてのラスキンとモリス』に関連して、次のような一文が記されている。…

続きを読む

『雑音の中』

 土岐哀果は、創作版画誌『月映』を所持していた。この生活派の歌人と、前衛的な版画誌をつなぐ関心の糸を見つけたいと考えて、歌集をまとめて読んでいる。  微細な生活感情をとらえた歌と、社会思想への関心。啄木とは微妙に異なる抒情。  いまのところ、『月映』とのかかわりを暗示するようなものは見あたらない。雑誌『生活と芸術』も調べてみないといけない。  第8歌集『雑音の中』(大正5年9月…

続きを読む

近代詩歌書の書誌

 近代日本の詩歌書の書誌として次の3冊をよく使う。 ①小泉苳三『明治大正歌書綜覧』(昭和16年3月、立命館出版部)②今井卓爾『明治大正詩歌書影手帖』(昭和54年3月、早稲田大学出版部)③今井卓爾『近代詩歌書の表情』(平成7年1月、勉誠社)  土岐哀果『黄昏に』について、①に項目はあるが、包紙についての記述はない。  ②には、立項されていない。  ③の特色は、包紙の図版が集…

続きを読む