和のアヴァンギャルド?

小さな企画展示の準備をしていて、また、おもしろそうなことに気がつく。 「本のアート散歩②」としておこう。 谷崎潤一郎『摂陽随筆』 和のアヴァンギャルド?      本のアート散歩②                       木股 知史 橘弘一郎『谷崎潤一郎書誌』から、摘記しておこう。  昭和10年5月、中央公論社、四六判419頁。定価1円70銭。「陰翳礼讃」「装釘漫談」など…

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大谷崎と挿絵の世界

芦屋の谷崎潤一郎記念館。「大谷崎と挿絵の世界」展。 雑誌「苦楽」掲載『春琴抄』の和田三造の挿絵がよかった。 大正6年版の『人魚の嘆き』は白版を展示。金属版である。 かつて指摘した、『月映』III輯からのモチーフ借用の挿絵は、名越国三郎の画風とは異なり、考えてみる必要がある。 展示室に3夫人の写真が掲げられていたが、千代が一番美しいと思った。玉子に目鼻の、博多人形風の表情である。

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無視されたり、ほめられたり

 書店で、山田登世子『「ふらんすかぶれ」の誕生―「明星」の時代 1900―1927』(藤原書店)を立ち読みする。  『画文共鳴』は完全無視、黙殺である。PR誌「機」2015年10月号に、自著紹介記事がのっていて、第一期、第二期「明星」と「スバル」を「科研費で購入し」とある。復刻版のことだと思うが、オリジナル全冊購入ならすごい。自分も、先行文献を見落とすことがあり、気をつけようと思う。文献研究は…

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『青春物語』 四六判は苦手、杢太郎に頼む

*勤め先で、小さな展示を企画していて、おもしろいことに気がついた。「本のアート散歩」の①とでもしておこう。       『青春物語』 四六判は苦手、杢太郎に頼む 本のアート散歩①                                   木股 知史     谷崎潤一郎の『青春物語』の書誌について、橘弘一郎は、『谷崎潤一郎先生著書総目録 第弐巻』(昭和40年4月、ギャラリー…

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P・K・ディックを追い越して

偶然、スタジオカラーの《日本アニメ(ーター)見本市》というサイトを見つけて、短編アニメが期間限定で多数公開されているのを知った。 仕事が終わってから、10本ほど続けて見たが堪能した。 好みは『カセットガール』や『PP33』にあり、アニメならではの戦闘シーンがたのしめた。3Dのエヴァンゲリオン、アナザーインパクトは3回も見てしまった。 ただ、映像の中の感情には立ち止まらせるものがあった。 …

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浅黒くて鯔背(いなせ)な女

 このところ、寸暇があれば、谷崎のものを読んでいる。岩波文庫版で『幼少時代』を読んでいると、浅黒い鯔背(鯔背)な女というのがたびたび出てくる。「鯔背」というのは、髪の結い方から来ていて、さっぱりしたさまをいうのだが、谷崎は母からもらった、毒婦として知られる花井お梅の写真を大切に持っていた。   箱屋殺しでお梅のことが世間の評判になってから、「あれはほんとうに凄みのある、色の浅黒い鯔背な芸者だ…

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谷崎発禁小説集

啓明社(住所は鎌倉)、昭和25年6月刊。谷崎潤一郎『飈風(へうふう)』。 目次に明記されているように、装釘、題字は、内田巖(魯庵の息)。 おもしろいのは、収録作すべてが、発売禁止処分を受けたものであること。 むろん、伏字は復元されておらず、「飈風」の末尾には、「注 以下○○は原文缼」とある。

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完売御礼か完売無念か

東京ステーションギャラリー、フェイスブックによると,月映(つくはえ)展図録が完売したそうな。 巡回各館も完売とか。 よかったのだけれど、100部ぐらい最終日に残ればよかったなあ,とも思う。 かつて、亀高(渡辺)文子展に最終日にいって、「図録売り切れです」と言われたときの衝撃を思い出す。

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