和歌山県立近代美術館の「日本近代の青春 創作版画の名品」展を訪ねた。
全部、見るのに1時間以上かかった。だんだん、人も増えてきて、熱心に食い入るように見ている。
技法が安定して展開していく1930年代以降のものより、試行時代の1910年代のものに心惹かれる。いちばん心に残ったのは、月映社の《ゑはがき三種》だ。いまの絵はがきのサイズよりひとまわり小さいが、田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎の三点とも、木版の〈圧〉が力強く、見る者の目にせまってくる。
描いたとしか思えない戸張孤雁の《女学生》、さまざまな筆致を彫りで追究する伊上凡骨の技、織田一磨の自画石版など、版画の力で疲れた脳をマッサージしてもらった1日だった。
