へたうま?

 『ホトトギス』明治45年2月の裏絵。渡辺与平の筆である。

 いいですねえ、このだいたんな省筆かげんが。女の髪形も電灯もいい。女の肩の線や手の表情は、しっかりした表現力を感じさせる。目次の題は、《白》である。

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 油井一人編『20世紀物故日本画家事典』(1998年9月、美術年鑑社)によれば、

渡辺與平[わたなべ・よへい]一八八八-一九一二

明治21年10月17日長崎県生。旧姓は宮崎。39年京都市立美術工芸学校卒。鹿子木孟郎に師事。39年上京。一時帰郷、再び上京。文展に《金さんと赤》が初入選。43年文展で《ネルのきもの》が三等賞。42年画家渡辺フミ子と結婚。太平洋画会会員。45年6月9日没。享年25歳。

 油彩画では、与平は、写実の力の確かさを示している。馬方にひかれる馬を描いた《金さんと赤》はすばらしかった。

  「長崎の美術3 渡辺与平展」図録(2008年、長崎県美術館)に、情報が集成されている。

 生活の資をを得るために、コマ絵を描いた画家は多いが、与平のようにコマ絵作家として名が知られた場合もある。