第二次『明星』の自刻木版

 第二次『明星』は、用紙も特別に漉いたものを使用し、組版から直接印刷したという。大正13年10月(第5巻5号)の号の編集後記「一隅の卓」で、与謝野寛は、次のように記している。

□「明星」の用紙は震災前と同じく、特にこの形に王子製紙会社の厚意で漉いて貰つてゐる。この紙質は先年来同社で「明星」と命名されてゐるものである。それから現に東京で発行する雑誌で原版(即ち紙型で無く)のままで印刷してゐる雑誌は「明星」以外に殆ど無いと云つてよからう。印刷の美しいのは主として之がためである。また表紙は初めから田中松太郎氏の工場で印刷してゐるが、本号から表紙の裏面(広告)も田中氏が印刷されるので、裏面の文字や罫が表紙へ透いて出ることが無くなつた。

 つまり、カットも、木版をそのままチェースにはめ込んでじかに印刷したと考えられる。

 カットは、創作として一度しか掲載しないという方針が、大正10年12月の号(第1巻2号)の「一隅の卓」で示されている。
 カット画には、「自刻」と注記されたものがあり、海外作家の作品もある。海外作家の場合は、版木を送ってもらったのだろうか。

 自刻の作品をいくつか紹介しておこう。

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       *大正13年10月(第5巻5号)

 

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     *大正13年10月(第5巻5号)

 

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     *大正14年7月(第7巻1号)

 

 ヴオツクス、デスランニエエルについては未詳。

 結城素明は、大正12年、文部省留学生として渡欧し、14年に帰国しているので、欧州滞在時に材をとった作品だと思われる。