国際啄木学会から、『国際啄木学会研究年報』第14号が発行された。
今号の特集は、「徹底討論『一握の砂』」で、2010年9月に立命館大学で開催されたシンポジウムがもとになっている。太田登氏の司会で、田口道昭氏、河野有時氏、小菅麻起子氏、大室精一氏ら、啄木研究者が『一握の砂』の各章を担当し、報告のあと、指定討論者の望月善次氏や会場の参加者と討議するというかたちになっている。
シンポジウムは、流れによっては、討議が拡散してしまうこともあるが、今回の特集は、報告部分は担当者の書き下ろしで問題点が明示されており、討議のひろがりと対照できるように工夫されている。
一般論文は下記のとおり。
太田 登 啄木短歌の受容における窪田空穂の存在
塩浦 彰 大矢正修と与謝野鉄幹―啄木以前の都市と郷土
村松 善 啄木日記にみる文学者意識と自己客観化―「石川啄木」「啄木」「石川さん」「石川君」「石川」「啄木様」「いしかわさま」「啄木子」という表記を中心とした考察―
森 義真 「甲辰詩程」考―七月二一日から二三(二八)日の書簡体日記を中心に
近藤典彦 韓国併合批判の歌 六首
研究ノートとして掲載されている、千葉暁子氏「盛岡大学生が読む『一握の砂』―記憶・批判・発信」には、盛岡大学でのクリティカル・リーディングの試みが紹介されていて興味深い。
*国際啄木学会HP http://www.takuboku.jp/bulletin/index.html
