ちょっと前になるが、《daily-sumus》さんが、「SANATOGEN」という記事の末尾で、高村智恵子の写真を紹介していて、おっ、と思った。いつも見る智恵子の印象と違ったからだ。
そしてこれが高村智恵子。大正五年(筑摩書房版『高村光太郎全集』より)。よく知られる縞の着物の写真よりも痩せて美形に見える。プログラムといっしょにしまってあったコピー資料から。
光太郎全集のどこにあるのだろうとさがしていると、新版全集の「別巻」(1998年4月、筑摩書房)の附録の「月報22」に載っていることがわかった。
《daily-smus》さんが掲げているのは、智恵子だけをトリミングしたものだ。
「月報22」のキャプションによれば、大正5年8月、日本女子大の後輩旗野スミの別荘(新潟県東蒲原郡磯島)に滞在したときに、スミの家族たちと撮ったものだという。
智恵子は、31歳。大正3年に光太郎と結婚し、貧しいながらも、充実した時を過ごしていた頃だ。
気になるのは、ヘアスタイル。『モダン化粧史 粧いの80年』(ポーラ文化研究所編、1986年11月)によれば、大正9年ごろから流行する「耳かくし」というスタイルに似ている。まんなかからわけているのも、かなり流行を先取りしている。
それから、着物の裾。交差するようなかたちになっている。
それから、化粧しているように思える。
智恵子といえば、丸顔が特徴だが、少しやせてみえる。前年の夏、肋膜炎で入院しているので、その影響があったのだろうか。
