あ、あんた、といって、胸を指さすので、みると、スーツに青いシミがひろがっている。内ポケットにさしておいた万年筆のキャップがとれて、インクがしみだしたのである。淡いグレーのお気に入りのスーツはこうしてだめになった。
以後、キャップがねじのようにしまるタイプの万年筆を使うようになった。
やがて、良質のボールペンにめざめ、水性ローリングペンの進化におどろく。
宅急便のラベルや役所の文書は、やはり万年筆では書きにくい。
こうして、万年筆は封書の手紙を書く時に使う程度になった。
しかし、先日、思い立って、ずっとペン立てにおいていた、ロットリングのポケットサイズの万年筆(書く時は軸がのびる)を使ってみた。約4時間、人の発言をメモしていたのだが、さらさら、具合がよかった。
