上田敏『海潮音』(明治38年10月、本郷書院)。
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小川菊松『出版興亡五十年』(昭和28年8月、誠文堂新光社)の「消滅した著名書店」の章より。
▲本郷書院=本郷東片町で、図書の小売もしていた。押川春浪氏の冒険小説や、沼田笠峰の少女、詩人横瀬夜雨の詩文集などを発行して相当成績を挙げた筈だが、大正の末期頃に看板がみえなくなつた。
明治本は、概してしっかりしているし、紙もあまり古びない場合が多いが、本郷書院の本の紙は、劣化が激しい。
〔付記〕高橋輝次氏の『ぼくの古本探検記』(平成23年11月、大散歩通信社)に、「明治の小書肆文祿堂主人のおもかげ」という章があって、次のような記述がある。
他にも明治には、青木嵩山堂や文学書の佐久良書房、本郷書院、胡蝶本の籾山書店、それにわが(!)金尾文淵堂などが健闘していた。このうち、博文館、春陽堂、金尾文淵堂については成書があるが、他の小書肆については文献が殆んどなく、今は忘れ去られている。
*引用の際、注番号は省略した。
