煙突文学全集008 2011年11月28日 久生十蘭『海豹島』、『久生十蘭全集 第1巻』(1969年11月、三一書房)による。初出は『大陸』1939年2月。一、海岸に面した氷の斜面に足場を刻みながら、一歩一歩上って行くと、中腹の岩蔭に、人夫小屋が頑固な牡蠣殻のようにしがみついていた。入口に雪囲をつけた勘察加風の横長の木造小屋で、雪のうえに煙突と入口の一部だけをあらわし、沈没に瀕した難破船のような憐れなようすをしていた。にほんブログ村