おもしろい本が出た。近藤典彦編『復元啄木新歌集』(桜出版、1050円、文庫版)。
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表現の生成研究のお手本のような仕事。思いつく人はいるかもしれないが、こうして、本のかたちにするのはたいへんだと思う。またこうした仕事は、多くの人に啄木について、新たに考えるヒントを提供してくれる。
内容は、土岐哀果が編集した啄木没後の歌集『悲しき玩具』を、もとになった歌稿ノート「「一握の砂以後」(四十三年十一月末より)」の構成を尊重して復元したものと、明治四十三年四月にに啄木が編集して春陽堂に持ち込んだが出版されなかった幻の歌集『仕事の後』を歌稿ノート等から再現してみせたものからなる。
殊に後者は興味深く、ざっと読んだ感じでは、『スバル』派の新歌人登場!、というような印象である。これをそばに置くと、『一握の砂』の個性がさらにきわだって見えてくる。
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