書店で、東雅夫『文学の極意は怪談である ―文豪怪談の世界 』(2012年3月、筑摩書房)を手にとって見ていると、『明治大正小品選』(2006年4月、おうふう)についての言及があるのに気がついた。もちろん、購入した。
ちくま文庫の文豪怪談傑作選の解説がもとになっているというが、読んだ感じは書き下ろしに近い。怪談というモチーフの系譜を近代文学史にたどるというおもむきで、小山内薫の『お岩 小山内薫怪談集』(2009年5月、メディアファクトリー)など、存在すら知らなかったので、ぜひ読んでみようと思う。
小品という表現形式に注目したのは、漱石の『夢十夜』や『永日小品』の時代的な背景を調べている時だった。そのとき、水野葉舟の小品のおもしろさにも気がついた。葉舟は、多面的な存在で、ぜひ、だれかが総合的な評伝を書いてほしいと思う。
葉舟の小品でわたしが、最も好きなのは「旧歓」という作品である。かつてつきあっていて別れた女性を想起するというもので、手紙が重要な小道具になっている。
かつて、小品の系譜図を作ったことがあるので、公開しておく。
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