過日、いつもの走り買いで、某地下街の古書店で、出帆社版(1975年11月)のアルフォンス・アレー著、山田稔訳『悪戯の愉しみ』を見つけた。ワンコインだった。
《daily-sumus》さんがすでに「悪戯の愉しみ」で、福武文庫版その他を紹介しているので、いろんな事情についてはそちらをごらんいただきたい。
久里洋二の装幀と挿絵である。
推測だが、久里が起用されたのは、どこかで、星新一と真鍋博のコンビが意識されていたのではないだろうか。女の足を腹をさいて腸で温めてやる男など、行きすぎた感じを、久里の挿絵はやわらげている。
帯の澁澤龍彦の「短刀の閃き」という文章を引いておこう。
ベル・エポックと呼ばれる泰平ムードの時代に、アルフォンス・アレーはその短刀の閃きのようなユーモアによって、満ち足りたブルジョワどもの心胆を寒からしめた。「黒いユーモア」という言葉は、まさに彼のために作られた言葉のようだ。私は久しくアレーの作品を愛してきたが、このたび、その抱腹絶倒の短篇が日本語で読めるようになるのは喜ばしい。
