お知らせ

 別冊太陽の新号が没後100年の石川啄木の特集を組んでいる。

 25日過ぎには店頭に並ぶのでは。

 短歌の鑑賞を書いた。老舗の雑誌の玄関口をまかされることなどめったにないので、普通の人々に啄木の歌の魅力が伝わるように工夫した。とんがりすぎず、ありきたりにならないように注意をはらいながら。

 タイトルは「人生という小宇宙」。

 個別性と普遍性が融合した啄木の歌の魅力をあらわしたつもり。

 写真との組合せは、煙突の写真に注文をつけたほかは、編集担当さんにまかせた。

 わたしのいちばんすきな歌は、じつは『悲しき玩具』の一首だ。

 ブログ《啄木の息》さんによると、本年1月5日の『毎日新聞』に、亡くなった吉本隆明が談話を寄せているそうだ。引用させてももらうと、吉本は、次のように語っている。

こうした生活の中の細々した感情や社会の見方を歌った作品は、ほとんどが一級品です。歌人の中には異論もあるでしょうが、「詩人」という概念を包括的な意味で用いるなら、間違いなく第一級の詩人といえます。

 日常の中の「細々とした感情や社会の見方」のなかにある普遍性を言いあてている、自然な呼吸のような歌。

 システムがどんなに高度化して、わたしたちを包摂するようになっても、生活の中の自然はゼロにはならない。

 啄木の歌は、そうあってほしいと思う、祈りのような感情を呼び起こす。