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考えれば、市販された削除版の復刻版が、あまりないのは面白い現象だ。
中段、下段の図版は、『無限』から出た削除版『月に吠える』の切り取り部分である。
「注意」は、私が確認したオリジナルでは、削除部分をのりしろとして貼り付けられている。
中段の図では、削除されたのが4頁であることになる。オリジナルでは、「注意」の頁は、貼り付けられていて、中段のような切り取り痕は残っていない。
考えるとややこしい。「愛憐」「恋を恋する人」が掲載されている103頁から108頁までの6頁が切り取られたとすると、6頁3枚分の切り取り痕が残るはずである。この削除版復刻では、2頁分の1枚に、注意の紙が貼り付けられたものを原本としたのだろうか。
確認した削除版オリジナルの一例は、注意の紙の頁が貼り付けられていることははっきり確認できる。しかし、中段のような切り取り痕は存在しない。
可能性としては、3枚の切り取り痕の紙が貼り付けられ、1枚のようになったところに注意が貼り付けられた、というのが一つ。もうひとつは、部分的綴じ直しが行われた可能性である。
「その筋の注意」というのも微妙な表現である。
