ブロックバスターと角川映画

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 トーマス・ホワイトサイド著、常盤新平訳『ブロックバスター時代』(1982年、サイマル出版会)。
 常盤新平は序文のなかで、次のように記している。

ブロックバスターは一街区を破壊しつくすほどの超大型爆弾のことであるが、映画の超大作を意味するようになり、いまや小説のベストセラーを意味するようになった。


 名門出版社が、コングロマリットに吸収され、バックリストの古典は枯渇していくアメリカの出版界をえがく。出版がショービジネス化し、コンテンツの差違がなくなっていく。
 今は、空無化のはてに、通販大手の寡占化にいたっている。

 もう一冊は、中川右介『角川映画 1976-1986 日本を変えた10年』(2014年3月、KADOKAWA)。
 書店の棚でみつけたときは、こういう本を誰か書いてくれればと思っていたテーマで、帰宅後あっという間に読了した。
 徹底した文献探索と、編集能力がないと書けない本である。次のような記述がある。

 巨額の制作費を投じる大作、文庫の販促と連動しての大宣伝という、角川映画の初期の戦略は、最初から確固たるものだったのではなく、『犬神家の一族』の成功によって、後から確立されたものとも言える。ひとつの成功がいくつかあったはずの選択肢を消してしまい、唯一絶対の方針として自分自身も縛ってしまったのだ。


この広告戦略をふりかえった時にブロックバスターという言葉を意識したのであった。