清水一嘉『挿絵画家の時代 ヴィクトリア朝の出版文化』(2001年7月、大修館書店)。

19世紀イギリス文学における挿絵の歴史。
印刷法については、木口木版のことなど出ている。
挿絵画家と作家の微妙な関係については、「第7章 画家と作家ークルックシャンクの主張とエインズワースのか弱き抵抗」が興味ふかい。先に挿し絵が描かれ、物語がそれにそって描かれる場合もあるという。
近代日本と類比するとおもしろい。
挿絵の本は、本の書影、すなわち、表紙を含む図版が、意外に入っていないものである。
思うに、西洋書の影響を受けつつ、かつ近世の伝統も継承して成立した、近代日本の紙装本は、表紙に絵や装飾が入ることが多いが、洋書の場合、表紙は単調なのかもしれない。
