◇『不折俳画』の序文で、漱石が、俳画は「グロテスク」にあたると書いていて、どうしてだろうと思い、カイザーや、シャステルの本を調べると、漱石が、西洋の美学史の勉強をしていることがわかった。
◇松岡譲の漱石論はどれも均衡がとれていて、いろいろ参考になる。
◇最近、ずっと漱石関連のものをずっと読んできて、自分が20代後半に読んでいちばん感銘を受けたのが、「思ひ出す事など」であることを思い出した。周知のように、修善寺の大患前後を書き綴った文章だ。
言葉の一つ一つがあるべき場所にきちんと、はめ込まれているような、綿密な文体。
読み直してみて、職務として看護に当たっているとしても、そのことにやはり感謝したい、というようなところに感動したのかというとそうではなかった。
今、書いてしまうのはやめておくが、20代の自分と、今の自分が、この文章をなかだちにして出会ったような感じがある。
