『アックス』90号(2012年、青林工藝舎)の近藤ようこ特集の単行本リストを眺めていると、4冊目にあたる1985年刊の『夕顔』(日本文芸社)を所持しているので、それから、だいたいずっと2009年の『花散る里』まで、近藤ようこを追いかけている。安吾の原作ものからちょっと遠ざかったのだが、これも読んでみようという気になった。
この人の作品が、なぜ、私の頭によいかというと、文字を気にとめなくとも、絵が流れていくリズムが心地良いのである。
さて、近藤ようこの他に、追いかけている漫画家がいるか考えていると、上野顕太郎のことを思い出した。亡妻記の『さよならもいわずに』まで、単行本全作を読んでいた。
作品は出ているのかなあと思って検索すると、けっこう活躍している。『暇なマンガ家が「マンガの描き方本」を読んで考えた「俺がベストセラーを出せない理由」』(2015年、扶桑社)が面白そうなので、読んでみた。上野は、少年時に父に買ってもらった冒険王編集部編の『マンガのかきかた』を読んで、漫画家を志したという。
マンガの書き方本を収集して、その傾向を分析したものだ。しかし、『漫画原論』のようにガチ真面目な本ではない。真面目になりすぎないように、斜めからの視線も考慮しながら、書かれたものだ。
だから、大受けはしないが、漫画の書き方本の収集に反応するような私のような読者(おそらく少数)は喜ぶだろう。
ついでに『いちマルはち』(2014年、アスキーメディアワークス)も買ってみた。おもしろいが、休憩に読んでいられない。文字が多く考えてしまうので、集中して読まないといけなくなる。
ギャグ漫画家と人文研究者は似たところ(絶滅危惧?)があるような気もするが、これは先方にとっては失礼な話で、活動が続いていることはめでたいことである。
