◇礼状を、2.3書いて、J堂に出かける。老眼で岩波文庫版の文字がきつくなってきたので、集英社文庫の漱石コレクションの『行人』と『道草』を求める。『彼岸過迄』が読みやすかったので、後期作を揃えてみた。
新潮文庫が文字はいちばん見やすいのだが、今回は敬遠することに。
◇さて、『彼岸過迄』は、よかった。大人の小説やないですか、という感じ。
須永は、父の不倫の子であるというのに、須永の母が千代子との婚姻にこだわる理由がわかりにくい。縁をつないでおきたいということなのか。
イメージを取り出すなら、森本の持ち物である、蛇頭の竹ステッキだろう。アールヌーヴォーであるかどうか調べてみよう。ウィーン分離派などにありそうだが。ミュシャの宝石デザインで、蛇があった。
◇芸術新潮が長谷川町子特集。束芋が出ているが、女性姉妹の1人。美しい人である。
◇J堂のレジは今日は行列ができている。佐伯泰英はすごく売れている。
◇本を整理しながら、少しずつ読むと、読書傾向が広がっておもしろい。ただ、本筋の仕事が滞るのだが。
小林信彦の『回想の江戸川乱歩』を見ていると、64歳の乱歩には、小林側の若い感覚がなかなかわかってもらえない、という記述が繰り返されている。わたしが、若い世代と仕事すると、同じように思われることもあるのか、と思う。あるところで、木内昇の、母が上京してくる短編がよいと推薦したら、推したのはわたしだけであったりする。
〔付記.2016.9.12〕少し説明しておくと、木内の作品は、「てのひら」という短編で、新潮文庫の『日本文学100年の名作 第10巻 バタフライ和文タイプ事務所』にも収録されている。わたしは、徳間文庫の年刊アンソロジーで初読、いいと思った。たまにやってきた母親との感情のすれ違いというのは、もはや普遍的なモチーフにならないということなのか。
◇「櫂」という古本屋さんにいってみよう。
