「動き出す!絵画 ペール北山の夢」展

東京ステーションギャラリーで表題の展覧会を見る。

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じっくり時間をかけてみる。
ゴッホやセザンヌの後に坂本繁二郎や山脇信徳を見ても何の違和感もない。
日本の近代というのは大いなる断絶の時代で、じつは西洋の伝統に憧れがあったのだ。
坂本繁二郎の《張り物》はすごかった。オーラが出ている。洗い張りをする女性を俯瞰で描いているのだが、縁側のホーロー製の洗面器にセザンヌを感じた。
でも、それは模倣ではなく、内なる光を発しているのだ。
同じ一室に、小絲源太郎の《屋根の都》と、山脇信徳の《雨の夕》が向かい合っている。
なんと贅沢なことか。京都で見たときと同じように、《雨の夕》は照明の光をあびて、タッチの突起が光っていた。意図していた効果だろうか。

本の展示では、ルイス・ハインド(ルイスはミドルネームで、チャールズがファーストネームである)の『ポストインプレッショニスト』は、所持しているのと同じ版であった。
カミーユ・モークレールの『フレンチインプレッショニスト』英語版は、小型本だった。図版の状態までは見られないので残念であった。
日本の近代文学研究者は1900年ごろの、洋書の図版の精度の良さをきちんと認識すべきである。

北山のを含めて、大正期のアニメの上映もおもしろかった。

東京に出るとよく地震がある。3度目である。

〔付記〕展覧会は、東京は11月6日まで。11月19日から来年1月15日まで、和歌山県立近代美術館で開かれる。そのあと下関に回る。

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北山というプロデューサーの視点から、時代の美術の流れをとらえた見応え十分の展覧会。和歌山も行くぞ。もちろん、充実した図録です。