西條八十『少女純情詩集』(大日本雄弁会講談社、昭和7年10月発行、掲示図版は昭和14年9月35版)。
すごく売れている。
西條には抒情小曲集もあったはず。
詩型としては、北原白秋の「断章」や室生犀星の「抒情小曲」が、大衆化した形。
絵との組み合わせは、竹久夢二が開拓者。
窓辺の乙女。蕗谷虹兒画。三色版か。けっこうきれいな刷りだ。
窓辺の少女イメージが定番となっていたことは、大塚英志『少女民俗学』(1989年5月、カッパ・サイエンス)が指摘していた。
これは、亜鉛凸版。加藤まさを画。
大正期に金属板が、こうした細かな線の表現に適していることが気づかれる。
網目版、いわゆる写真版の挿絵もあるが、白抜きを使ってくすみを減らす工夫がされている。
この白抜きの印象が鮮やかだったのが、上司小剣の『東京』(大正10年、朝日新聞)の石井鶴三の挿絵だ。
2編の詩に現れた憂いは、封じ込められた少女の文化表象を雄弁に語っている。
