革装本について

右が、オリジナル、左が近代文学館の復刻。
IMG_2674.JPG


西條八十『砂金』(大正9年1月15版、初版は大正6年8月、交蘭社)。結構売れたのである。

『砂金』のわかりやすさが受け入れられて、先日記事にした『少女純情詩集』に繋がっていくのだろう。

復刻もスレが出ている。
退色したことがわかるが、やはりオリジナルは風格がある。
図形が異なるところもあるので、やり直したのかもしれない。

装幀は、野口柾夫。どういう人かはわからない。

革装の詩集は、山村暮鳥の『聖三稜玻璃』がはじめか。
『日本象徴詩集』(大正8年5月、玄分社)もいま手元にないが、革装だったと思う。架蔵しているのははボロボロになっていた。
わりあい知られている詩「胸の上の孔雀」を紹介しておこう。
忘れては
いつか捉へん、
胸の上を過ぐる
孔雀の群。
午睡の夢のまに
しろき月
音なくのぼり、また
沈みゆきぬ。
おとろへし
肋の畝に、
幽かにも
そよぐ青麦。
そを踏みて
過ぎゆく孔雀、
一羽、二羽、仄かなる空。

この記事へのトラックバック