色刷り木版の版面 つづき

博文館『文藝倶楽部』第7巻15号、明治34年11月。『明星』が西洋美術の若手を使って、誌面に新味を出そうとしていた時期である。
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 表紙は、山中古洞《冬木立》。目次によれば、「精彩石版画」である。
 口絵は、梶田半古《仙錦亭》。目次によれば、遅塚麗水の小説「仙錦亭」の口絵で、「精彩木版画」である。
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髷の部分を拡大してみよう。
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 少しわかりにくいが、地の黒の上に、髪の線を示す黒が重ねられている。
 ヒロインの着物の前に、木の枝が伸びている。その部分を拡大してみよう。
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 色の重なりについて観察してみよう。
 着物の地色のグレー、紫のかすり、帯の青と黄色のひも。その上を枝が伸び枯れ葉の茶色が描かれている。
 グレーに、模様が重ねられ、輪郭線や木の枝の線が重ねられている。
 最低でも三度刷りである。

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