これは昨日の日記。
家事と仕事をいい加減で切り上げて、文庫櫂へ。御堂筋線本町で中央線に乗り換え。堺筋本町で堺筋線に乗り換えて恵美須町へ。
仕事カレンダーを見て、今日しか行けないかもしれないと、考えた。
先客さんお二人。店主と話しつつも、目は棚の本の背を追う。いい絵入り本はないですか、とたずねると、出てきたのが、三六版の、女性画家梶原緋佐子の歌集『逢坂越え』(大正13年4月、東山書房)。昨日、岡本神草展の関連展示で、《唄へる女》や《機織》を見たばかり。鉛筆デッサンに淡彩をほどこしたような、著者作の木版が数葉入っている。緋佐子の経歴はここ。吉井勇に短歌の指導を受けたとある。
この真昼空に絶入る汽笛鳴りやがて消ぬなり吾がたましひよ寝返へれどねみだれ髪のひとすじが引かれて痛む心のままに朱を溶けど臙脂を溶けど吾がおもふあかきは胸の血汐のほかに
『明星』の遺伝子を感じる。外界と内面のつなぎ方がたくみ。挿絵との関連は、またじっくり考えることに。
先日見かけて忘れていた、長田秀雄の戯曲集『亡き妻を哭く』(大正13年9月、聚英閣)。さっそく読んだ表題作や『先夫の子』は、皮肉な転倒が仕掛けられている。後者は、菊池寛『父帰る』のブラック版のような感じ。
帰り際に、楠山正雄脚色のツルゲーネフ『その前夜』(大正4年4月、新潮社)の脚本を。これは広告を紹介しておこう。松井須磨子の写真集が3版とある。
大きな市があるということで、また何が棚に並ぶか、楽しみなことである。
恵美須町から南森町へ出て、天牛へ。梶原緋佐子の師、菊池契月の図録など。100均で、大江健三郎の『人生の習慣』。
大阪天満宮から六甲道へでれば口笛文庫も行けると思ったが、断念して帰宅。
