「ミュシャと日本、日本とオルリク」展案内

 千葉市立美術館で9月7日〜10月20日まで、「ミュシャと日本、日本とオルリク」展が開催される。
 特設ページが開設されている。ここ
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 展覧会の主旨について特設ページから、引用する。
この展覧会は、アルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha 1860–1939)とエミール・オルリク(Emil Orlik 1870 –1932)というチェコ出身のふたりのアーティストに光をあて、ジャポニスム(日本趣味)の時代に出発した彼らの作品と、彼らから影響を受けた日本の作家たち、さらにはオルリクに木版画を学んだドイツ語圏の作家たちを取りあげ、グラフィックを舞台に展開した東西の影響関係を観察しようとするものです。
 ミュシャは、ジャポニスムに湧くパリで、女優サラ・ベルナールを描いた《ジスモンダ》に始まる一連のポスターで名を馳せました。その評判はすぐさま日本に伝わり、ミュシャの女性像は1900年創刊の雑誌『明星』で紹介されて白馬会を中心とする日本の画家たちー藤島武二や中沢弘光らに絶大な影響を与えました。一方のオルリクは、プラハに生まれ、ベルリンやウィーンでジャポニスムの潮流にふれて日本への憧れを募らせました。
そして1900 年から翌年にかけて来日、浮世絵版画の彫りや摺りを学び、帰国して多くの後進を木版制作に駆り立てます。また、滞日期に手がけた石版画が、白馬会展に出品されて雑誌『方寸』に集った作家たちを大いに刺激したことも知られています。 こうした1900年前後の影響関係は、グラフィックを介したジャポニスムとその還流と捉えることができます。本展ではミュシャとオルリクに加え、背景としてのチェコのジャポニスムを紹介するほか、ウィーン分離派の周辺作家やヴォイチェフ・プライシグ、タヴィーク=フランティシェク・シモン、ヴァルター・クレム、カール・ティーマンらの作品を、雑誌『明星』や『方寸』周辺の作品と合わせ、グラフィックならではの、即時的で双方向な東西の芸術交流のさまを検証します。
 会期中、展示替えがあるそうだ。

 ミュシャは有名だが、オルリクは知られていない。オルリクについては、プレスリリース資料から引用する。
エミール・オルリクはプラハに生まれ、ミュンヘンで絵を学びました。ウィーン分離派のメンバーとしても活躍し、19C 末のヨーロッパにおけるジャポニスムブーム に触れて日本への憧れをつのらせ、1900-01 年、1912 年に来日。浮世絵版画の 彫りや摺りといった技術を学び、多色摺りの木版画を制作しました。来日中は白 馬会の画家たちとも交流を持ち、帰国後は日本で制作した版画を展示するなど木 版画の技術をウィーン分離派の画家たちやドイツ語圏のアーティストに伝え、影響 を与えました。本展のテーマである「グラフィックを通した東西交流」において最も重要な作家といえるオルリクの作品を、日本で初めてまとめてご紹介します。
 オルリクのほかにも多くの未知の画家が紹介されるようだ。

 《北斎とジャポニスム》展の時に思ったことだが、海外作品と日本作品が同時に展示されると思わぬ発見がある。

 『明星』とミュシャの関連など語り尽くされている感があるが、『明星』掲載の版画がどのようなものであるのかは、意外に知られていない。ヨーロッパの木版画のリバイバルが、ジャポニスムにかかわることは周知のことだが、オルリクの仕事が果たした役割は大きいと思う。どのように展示されるか楽しみである。

 *千葉市美の後に、和歌山近美、岡山県美に巡回予定。

 *過去記事《エミール・オルリクのこと