子を抱ける平塚雷鳥

*これまで、何度か古雑誌で見つけた文豪関連の写真を紹介してきたが、今後も続けていきたいと思う。

『文章倶楽部』第六号(大正5年10月、新潮社)の「文壇風聞記—ABCー」という文壇情報コラム欄に掲載された平塚雷鳥の写真「子を抱ける平塚雷鳥」。
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 「文壇女夫揃ひ」という記事の後半部を引いておこう。

批評家乃至詩人としての生田春月氏と同花世氏の外、畫家と文士とのとり合せは随分多い、小寺憲吉氏と同菊子、上野山清貢氏と素木しづ子、岡田三郎助と同八千代、それから奥村博氏と平塚らいてう氏の如き、色彩の配合、未來派の繪よりも妙である。圖案家杉浦非水氏の夫人みどり氏は女流詩人であり、漫畫家岡本一平氏の夫人かの子女史は、故大貫晶川の妹で矢張歌よみだ。劇曲家中村吉藏氏の夫人は有名音樂家であり、少壮學者柳宗悦氏の夫人も聲樂家として頗る有名である。
 春月、花世は詩人同士なので、「外」という言い方は、詩人同士ではない画家と文士の組み合わせは、という意味なのだろう。奥村博は正しくは奥村博史か。雷鳥、博史のカップルが「色彩の配合、未來派の繪よりも妙である」という比喩も変わっている。いわゆる「若い燕」との年の差婚をうまく言い換えたものか。

 『文章倶楽部』はこうしたスナップショット的写真を掲載している。中学生読者はアイドル的に文学者を見ていたので、アイドルの日常を知るという関心に答える意味もあったのか。