古本のことが分からない時期に購入したもの。
黎明社『震災画譜 画家の眼』(大正12年12月、黎明社)
「画譜」ではあるが、短文と組み合わせたものである。表紙は、森田恒友。
黎明社の創業出版であったらしい。
*「追記」、トリミングあり。
後記
私たちのおびやかされた心持を、永遠に記憶したいと思ひました。それもほんとに、眞剣に、体験した尊い心の痛みを残しておきたいと思ひました。その私たちのおねがひを快くひきうけて、こゝに『画家の眼』が生れました。私たちの處女出版が、かうした力で生れたことを深くこで感謝するとともに、読者諸君にもお知らせしておきたいと思ひます。
黎明社同人記
*裏表紙、社章、拡大。
画風はさまざま。画家もいろいろ。
破壊の半面小室孝雄震災の画報と絵葉書の路傍売りは、災害の生んだ一景物であつて、至る所目をひくが『芸者鏡』と云ふ之は又時節違ひの仇つぼい所を披露に及ぶ。尋ね人で膏薬張りの西郷ドンの膝許で「芸者だつて日本国民です。……思案余つて手を置く胸に又もちらつく主の影……どうです、沈んで許り居るが能ではありますまい……」と大に復興を煽ツてるる。数年前の出版で本屋の庫の下積となつてゐた代物だらうが今度のドサクサに画報でさへあればと云ふので、掘出されたものだらう。破壊の半面に、斯うした復活のあるのも矢張震災と云ふだらうか。
