木版の勉強

先日、国会デジコレの個人送信で『印刷雑誌』の石版関連の記事を半日ほど画面で読んでいたら、翌日は異様に肩が張った。
やりすぎはいけない。

石版の文献は並行して読み進めているが、版の重ね方に錦絵木版からの影響がある。このことは、過去記事《あれとこれ 木版と石版》を書いたときに気づいていたが、明治30、40年代の多色石版の図版、多色石版の絵葉書を見るにつれて、いろいろ考えることが増えてきた。
この記事は、その後分かったことを含めて、書き直してnoteに上げようと思っている。

錦絵、浮世絵の多色木版は、たとえば女性像では、着物の柄や帯の柄などは、〈分色〉した複数の版によって精密に表現される。

また、女性の髪の表現は、版を重ねて、髪の質感を出している。ぼかしの効果も色を摺り重ねて得られるものだ。

木版の技法については、小林忠監修・東京伝統木版画工芸協会編『浮世絵「名所江戸百景」復刻物語』(2012年1月17日、芸艸堂)が参考になった。



京都の竹笹堂の北斎《富嶽三十六景 凱風快晴》の復刻の過程を写真で辿ることができる、竹中健司・米原有二『木版画 伝統技法とその意匠』(2021年12月11日、誠文堂新光社)も参考になった。



自由使用可能なメトロポリタン美術館蔵の《富嶽三十六景 凱風快晴》を見て、版が重なっている部分を見てみよう。

DP140971.jpg

左山裾の植生の表現は、一番初めの主版(おもはん)に彫られている。
四版目の一摺りの際に、ぼかしの青が重ねられている。

また、最上部の空の濃紺の部分は、三版目二摺りの時に青に重ねられている。

こうした木版の技法が石版にどのように作用したかを考えたいのである。

この記事へのトラックバック