配信で「シンポジウム「サロン!京と大坂の絵画-継承か断絶か?」を見て(就中、中谷伸生氏の基調報告)、中村真一郎の『木村蒹葭堂のサロン』をまず読んでみようと思っていた。その時は古書価が高かったが、このたび安いものを見つけて購入。状態が懸念されたが、到着した本はスリット入りの美本。
初めの部分に、ずっと孤独に苛まれていて、心の変調をきたし電気ショックの療法も受けたと記してあり驚いた。
また、次のような記述がある。
(前略)二十世紀末の日本は、日常的に否応なしに国際化されており、人々の意識も国粋主義からは離脱している。
が、この国際化の水準は、「民度」 というようなもの、平均的状況というものに考えを移す時、それは一方で、手のつけられない混乱と分裂の有様であり、極めて優秀な若者が生長しつつある反面、単なる日本猿の親戚に過ぎない、絶望的な未開の大衆も生産されつつある。ある種のテレビのお笑い番組とか称するもののなかには、動物園以下のもの、人間の言葉を間違って真似して喋っている連中が横行していて、もし彼らが民主主義の原則に従って多数を占め、権力を握った時を想像すると、 「猿の王国」以下に悲惨な世界が出現するだろうと、 慄然とする。
わたしは自分も猿の部分を大いに持っているという自覚があるので、中村のように高みから俗衆批判をするのは好まない。ただ、今は〈猿の部分〉を正義と考えるような風潮が政治など公的な部分をおかし始めていて危機を感じている。
木村蒹葭堂の交友シーンに現れた人々のその時点でのポルトレ集。
次に、中谷氏の主著も読んでみたい。
