版画研究の岩切信一郎氏が、『古書通信』5月号に「一條成美と窪田空穂」という文章を寄稿している。
一條成美は、当ブログの読者には周知の、『明星』や『新声』で活躍したイラストレーター。
〈萌え〉の源流と言えるような少女像を描いた。
ミュシャなどの影響は受けているが、独自のスタイルを持っている。
岩切氏の指摘のとおり、まだまだ一條の生涯については、わからない部分が多い。
岩切氏は拙論と『まんが表現教育論』にふれ、「成美押しとしては心強いことである」と書いてくださった。
ありがたいことである。
一條の画像を一つ。
河井醉茗『無弦弓』(明治34年1月、内外出版協会)の挿絵である。
詩「朝の声夕の声」の「夕の声」の次の部分に対応する絵だろうか。
天使の星のたゞふたつ闇よりさきに現はれて美しき世をかたり合ふゆふべの声は近づきぬ
初めて見たとき、木版でこの細い線が表現できることにおどろいた。
『無弦弓』は国会デジコレで公開されている。
