Theopotamos (Kamikawa)さんの記事「謎の民俗学研究者・石橋臥波が発行していた雑誌『民俗』を入手」で、高橋臥波の名を見て「へえ」と思う。
ユング、フロイトの受容や夢の研究に関心がある人には、石橋の名は『夢』の著者として知られている。わたしもその流れで石橋を知った。
『明治大正小品選』(2006年、おうふう)の解説で次のように書いたことがある。
夢と文学の関わりに注目し、古代から近世までの日本の文学にどのように夢が描かれたかを分析した、石橋臥波の『夢』(明治四〇〔一九〇七〕年二月)は、「夢は人生活動の半面に於ける休息の楽天地にして、亦秘密の宿れる所なり、活動の元気を養ふ所なり、神人融合の場所なり」と述べており、創造と夢の強い関連性について指摘している。フロイト移入以前から夢と文学の関連については注目されていたのである。
南方熊楠と交流があり、『十二支考』には、何度か高橋の名が出てくる。
また、南方の「睡眠中に霊魂抜け出づとの迷信」の「二」(東洋文庫『南方熊楠文集1』所収、初出大正元年8月『人類学雑誌』)に石橋より『夢』を贈られたとの記述が見える。
『夢』は、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている。ここ。
