さて、先日noteに寄稿した《アダムとイブ:竹久夢二『山へよする』研究⑥》であるが、気になっていて書かなかったことがある。
そのことについてこのブログにメモしておきたい。
左:竹久夢二『山へよする』 木版画《桃樹園》 *新潮社刊、初版は大正8年2月、図版は大正10年9月20日の第9版による
右:Albert Bloch《Summer Night》1913
https://en.wikipedia.org/wiki/Albert_Bloch#/media/File:Albert_Bloch,_1916,_Summer_Night,_oil_on_canvas,_119_x_114_cm,_private_collection.jpg*2024/08/14参照
右:Albert Bloch《Summer Night》1913
https://en.wikipedia.org/wiki/Albert_Bloch#/media/File:Albert_Bloch,_1916,_Summer_Night,_oil_on_canvas,_119_x_114_cm,_private_collection.jpg*2024/08/14参照
手の独特のしぐさについてなのだが、ドリフターズのひげダンスにそっくりだと思ったのである。
ウィキペディアで、ひげダンスを引くと、大道芸の影響を受けたものではないかと指摘されていた。
どんな大道芸なのかがわからない。
アルバート・ブロックの《夏の夜》(右の図)は、夢二の《桃樹園》の下敷きとなっている作品だが、調べると、ブロックにはピエロ絵画の系列の作品があるという。
《夏の夜》はピエロ絵画の集大成だという指摘もあり、それまでに、コメディア・デラルテのハーレクイン(アルレッキーノ)を描いた作品がたくさんある。ひげダンスの手のようなピエロも描いている(note参照)。
そこで、動画資料のアーカイヴであるYouTubeで調べてみることにした。
アルレッキーノがゲームキャラになっているらしく、そればかりが出てきて閉口する。
ハーレクインで引くと今度は、ハリウッド映画のスーパーヒロインばかりが出てくる。まいった。
なかに、《Commedia del'Arte & Baroque Dance "Arlecchino/Harlequin"》というのが見つかって、そっくりのしぐさをしている。
登場してすぐの手のかたちに注目されたい。
見ていると、ミスター・ビーンも同じようなしぐさをしていたような気がする。
推測であるが、ひげダンスのもとになった大道芸の源流にはアルレッキーノがあるのではないだろうか。
さて、《桃樹園》の男女は道化のように見えなくもない。note本文では「竹久には、《桃樹園》の僧服のような衣装を身につけた男女がほんとうは道化なのだというような、マニエリスム的転倒を示すというような意図はなかったのだろうか?」という疑問形で記しておいた。
〈抒情の自己否定〉という要素が時折、夢二には表れるような気がしている。
