『近代出版研究』第4号「特集:書物百般・紀田順一郎の世界」

先週、『近代出版研究』第4号「特集:書物百般・紀田順一郎の世界」が届いたので、作業の合間に読んでいる。

厚さも価格も、『ユリイカ』の総特集なみになってきた。

紀田氏の本は、福武文庫の『新版 古書街を歩く』や河出文庫の『明治風俗故事物語』、ちくま文庫の『日記の虚実』くらいしか読んだことがない。

〈啓蒙の人〉かと思っていたが、特集を読み終えて、〈オリジナルの啓蒙の人〉であることがわかった。
アカデミズムの研究になってしまわないところに、よさがあるのだ。
特集のまとめの意味を持つ小林昌樹氏の「紀田順一郎世界の探検法」に、「古本評論家」としての新旧比較で坪内祐三の名があがっているが、坪内も研究になってしまったら駄目なんだということをどこかで書いていた。

アンケートで名が上がる回数が多いのは、『蔵書一代』やジャストシステムと組んだ「日本語処理図鑑」四部作である。
前者は、地元の図書館にあったので予約した。後者は、刊行されたときに書店で面陳されているのを何度も見たが手に取ることはなかった。そのころは、まったく余裕がなかったからだ。刊行時に見ておけばよかったと思う。

特集を読み終えて、評論のおもしろさと可能性ということに思いが及んだ。

パラパラ見ていると、藤元直樹氏の「薄い本の時代——駅売十銭パンフレット出版管見一九三四〜一九四五」の末尾の「編者からひとこと——十銭パンフレットは週間誌の先祖では」のおわりのところで、小冊子について、書物蔵さんとならんで拙ブログを紹介いただいているのに気がついた。感謝である。








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