新刊日記『視線と差異 フェミニズムで読む美術史』

昨日、遠距離散歩の途上で書店に立ち寄りこの本を見出した。

単行本の古書価は高くて手が出なかったが、文庫化されたのだ。

グリゼルダ・ポロック著、萩原弘子訳『視線と差異 フェミニズムで読む美術史』(2025年10月、ちくま学芸文庫)

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たぶん訳文がこなれていてわかりやすいのだと思うが、一気に序文、第1章を読み終えた。

写真でわかるように、表紙がそっている。
ちくま学芸文庫は、もう少し、表紙とカバーを厚くしてほしい。
岩波文庫くらいの強度がほしいと思う。

「女性性」(フェミニニティ)という概念や、絵画における空間分析の重要性が、腑に落ちる。

2章、3章はとばして、第4章「プレ・ラファエロ派文献における記号としての女 エリザベス・シダルはどう表現されたか」にとりかかる。
235ページにこんな記述が。

プレ・ラファエロ派を代表するアーティスト、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ(一八二八−八二年)の寵愛を受けたモデルであり、のちにその妻となった女性として美術史の書物でもよく知られるシダルは、彼女自身も詩作に加えて絵を描き、素描もしたということで、フェミニストの注目を惹いていた。彼女は、美術史研究者が賛美する芸術のためのミューズとなり、オブジェとされた女、そして芸術の創作者としては無視された女の矛盾を、一身に体現していた。

おお、笠井彦乃にも通じる記述ではないか!

【編集履歴】
〔訂正〕2025/11/21 章番号訂正。






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