古本で『山へよする』を買った上林暁 2023年10月07日 竹久夢二『山へよする』のことを調べていて、上林暁の「古本漁り」というエッセイがあることを知った。 2冊目の随筆集『文と本と旅と』(昭和34年5月10日、五月書房)に収められている。 「終戦後」は新刊よりも古本が好きになったとして、上林は次のように書いている。 昔は僕も新刊書の匂いが好きであったが、この頃は古本の匂いがずっと好きになった。終戦後はことに新刊本が粗悪になったので、いよいよ古本に…続きを読む
古本日記 雑感 2023年05月01日 比較的気分よく、朝早く目が覚める。ありがたいことである。今日は5月1日、古本好きの方々はみやこメッセに向かうのだろう。 わたしが、古本市に出かけなくなったのは、疫禍がきっかけであったが、もともと人混みが苦手であることに加えて、職を離れてから経済的余裕がなくなったことが理由である。 未知の本との出会いは、得がたい啓示を与えてくれるのは重々承知だが、いまは古本欲を禁欲して、できることを進めたいと…続きを読む
蔵書票 2023年04月02日 久しぶりに、渡辺与平のコマ絵集『ヨヘイ画集』を見ていると、見返しに蔵書票の印がおしてあるのに気がついた。 「K・MIYAKE」とある。三宅克己? 『ヨヘイ画集』は竹久夢二の画集にくらべると、木版の彫りがていねいである。 竹久のコマ絵画集、『春の巻』は玉石混淆、『夏の巻』は反省を生かしてよくなり、『秋の巻』はそれが持続している。『冬の巻』はグレーのインクがうすく、絵がよく見えない。 『…続きを読む
古本日記 『大痴芋銭』 2023年03月17日 先日、本を整理しに行った古書店でワンコインで見つけた。 斎藤隆三『大痴芋銭』(昭和16年7月、創元社)。 斎藤は『元禄風俗志』を書いた民間史家。 斎藤については、「夏目漱石『三四郞』注釈ノート : 「高等モデル」と「元禄」について」で書いたことがある。 『画題辞典』(大正14年10月、博文館)は、よく使う。 パラパラ読んで、あっと思ったのは、コマ絵の画集『草汁漫画』の成立過程が詳しく記…続きを読む
古本日記 水野葉舟編『代表作新体詩集 心の響』 2023年01月10日 さて、柳田國男(松岡國男)の詩が43編(ほぼ全詩)も収録されている、水野葉舟編『代表作新体詩集 心の響』(1916年9月18日、耕山堂)。 *『心の響』表紙。菊半截。 noteの原稿はほぼできたが、あと少し調べておきたいことがある。 書誌は、国会デジコレで『定本柳田國男集』別巻5が見られるので調べるとちゃんとのっている。版元は耕山堂である。 もう一つ、田中正明氏の「柳田國男の著作・著作収…続きを読む
古本日記 大日本国民中学会『正則中学講義録』 2022年12月29日 ヤフオクで1野口でおとせた、大日本国民中学会『正則中学講義録』第1学期第8号(明治38年7月15日)。 小冊子について考えたときに、講義録もその中に入ると思い、中学講義録や文章講義録を古書で探したが見つからなかった。 過去記事《小冊子メモ (3) 『文章講義録』》過去記事《小冊子メモ まとめ》 いま(2022/12/29 12:42)、《日本の古本屋》で検索すると、けっこうひっかるではない…続きを読む
古本日記 『帝国画報』 2022年12月19日 冨山房の『帝国画報』第3年第9巻(明治40年8月1日)。 表紙は一條成美。 蝶と言えば杉浦非水だが、絵葉書の図柄でもよく見る。石版印刷。 全ページの半分が写真で、読者にも写真の応募を呼びかけている。 出版では冨山房は博文館の次くらいの位置づけか。 この年は、東京勧業博覧会。その写真が多い。中に目を引く一枚が。 写真家小川一真が博覧会に出した中の1枚を紹介している。 すこしゆ…続きを読む
古本日記 岡本一平『漫画と文 マッチの棒』 2022年12月18日 岡本一平『漫画と文 マッチの棒』(大正4年9月18日、磯部甲陽堂)。 最初の『探訪画趣』もそうだったが、漫画とそれにちなむ文を組み合わせるかたち。 過去記事《カフェーの女》 過去記事《十二階の番人》 「大阪スケッチ(一)」を紹介しておこう。 続きを読む
古本日記 『定本 何かが空を飛んでいる』 2022年12月10日 右の本、稲生平太郎『定本 何かが空を飛んでいる』(2013年11月25日、国書刊行会)が届いた。 つい先日まで、稲生平太郎=横山茂雄だということをしらなかった。 また、横山氏が、京都の古書市ではよく見かけた方だと思いいたった。 横山氏といえば、水野葉舟『遠野物語の周辺』(2001年11月23日、国書刊行会)の解説「怪談の位相」に感心した。 遠野の物語と心霊研究は不可分のものだったというの…続きを読む
古本日記 アオイ書房と昭森社 2022年12月06日 荒木瑞子『ふたりの出版人 アオイ書房・志茂太郎と昭森社・森谷均の情熱』(2008年10月20日、西田書店)。矢野書房のツイートで見て注文した。 志茂も森谷も竹久夢二に縁がある人。 ちょろっと書いてあるエピソードに心ひかれる。 長田幹雄氏の夢二本のコレクションは、空襲で焼けたとか。 続きを読む