古本日記 安倍能成の随筆など 2022年11月09日 『日本の古本屋』を見ていたら、近所の古書店に安倍能成の随筆類がたくさん出ていることがわかり、何冊か買い求めてきた。たいていは、国会図書館のデジタルライブラリーで読めるが、注釈作業の気分転換に短い文章を読みたいと思ったのである。 旧蔵者は本を大切にする人らしく、みな美本である。『巷塵抄』の箱はオリジナルではなく、いわゆる作り箱である。 若い頃の写真がバンカラ風でそれも記憶に残っている。 …続きを読む
古本日記 『新訳絵本水滸伝』 2022年11月01日 神田古本まつりの目録で注文していた本が届いた。 小杉未醒『新訳絵本水滸伝』(明治44年3月3日、左久良書房)。 大冊であるが、2、3ページに1葉、木版挿絵が入っている。 木版彫刻は、岡田清次郎。 「雪裡林沖」。 デッサンが確かである。 「新発智狼藉」。 これは、マンガに近い。 「武松醉打蒋門神」。 これは劇画風。 『絵本西遊記』もあって、これはむかし、中公文庫であ…続きを読む
古本日記 1911年刊行の絵入り本 2022年10月24日 思いついて、まんだらけの通販で、2016年に買い逃して以来、見つからない明治の絵入り本を検索したら、なんとヒットした。 買い逃した時の古書価とほぼ同じだったので、登録してすぐ購入した。川端龍子の『漫画東京日記』という本である。 名取春仙が明治44年、1911年は絵入り本の当たり年だと指摘していて、『漫画東京日記』もその年に出たものである。 神田古本まつりの目録でも、この年に出た、小杉未醒の…続きを読む
風船舎の目録に驚く 2022年08月21日 風船舎の目録第16号「特集 今日は帝劇、明日は三越、明後日は… 偶発的東京名所案内」が届いた。 分厚い。 絵葉書もたくさん出ている。 550ページ。目次は23区+離島。 続きを読む
古本日記 『木村蒹葭堂のサロン』 2022年07月14日 配信で「シンポジウム「サロン!京と大坂の絵画-継承か断絶か?」を見て(就中、中谷伸生氏の基調報告)、中村真一郎の『木村蒹葭堂のサロン』をまず読んでみようと思っていた。その時は古書価が高かったが、このたび安いものを見つけて購入。状態が懸念されたが、到着した本はスリット入りの美本。 シンポジウム「サロン!京と大坂の絵画-継承か断絶か?」 初めの部分に、ずっと孤独に苛まれていて、心の変調をきたし電…続きを読む
むかしの東京堂 2022年07月02日 『東京写真帖』(大正3年5月6日、博文館)より。東京堂の写真。 東京市内にて新刊の書籍と諸雑誌とを小売し且つ卸する店の第一者は東京堂である。神田表神保町の通に三層楼の洋館を構えて、単に市内にて営業するのみならず、地方の小売業者に対して、荷くも新刊物なれば、何書に拘らず仲次の労を取る。取扱ふ書籍の数が東京一であるところから見ても、此店あつて東京の新刊物が広く散布されるとも云はれやう。国会図書館デ…続きを読む
古本日記 『言文一致 文例』 2022年06月23日 山田美妙『言文一致 文例』合本版(明治40年5月15日、内外出版協会)。第1編〜第4編初刊は明治34年、35年。 郵便規則について、原文と口語化したものが併記されている。 原文は次のとおり。 ○郵便規則(原文大意) 郵便受取人其受取ルベカラザル郵便物ヲ誤テ受取リタル時ハ速ニ其事由及居所氏名ヲ記シタル附箋ヲ爲シ料金ヲ納附スルコトナク再ビ郵便ニ差出スカ又ハ郵便局所ニ持参スベシ 言文一致文は次…続きを読む
古本日記 『註解附 端唄大全』 2022年06月15日 股旅堂の目録で注文した本が届いた。 平山蘆江先生序文、山崎青雨編輯『註解附 端唄大全』(昭和5年1月2日、法木書店)。 今、デジコレで「端唄大全」で引くと下記のような本がある。 1 いろは引端唄大全 図書 井上勝五郎 編 (薫志堂, 1885) 2 いろは引端唄大全 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 図書 大淵渉 編 (大淵渉, 1893)3 いろは引端唄大全 図書 井上勝五郎 編…続きを読む
古本日記 太田咲太郎『ゾラとセザンヌ』 2022年05月16日 注文していた太田咲太郎(おおたさきたろう)『ゾラとセザンヌ』(昭和17年12月25日、三田文学出版部)が届く。 表紙の皺がちょっと残念だが、予想より綺麗な本である。 書簡を中心に、同郷の二人の交渉をたどる。 わたしは、ゾラの小説では、『制作』が一番好きである。画家小説としてよく書けているし、岩波文庫版はとても翻訳が良い。 主人公のクロード・ランティエという画家は、セザンヌやマネをモデ…続きを読む
まぼろしの本 2022年04月20日 巌谷小波 古書市で買わずにいて後悔した本のことを書こう。 大阪古書会館のたにまち月一古書即売会でのこと。 著者は巌谷小波で、コマ割りした空間にモノクロの絵が入っている本であった。興味を惹かれるが、傷みがひどく、購入しなかった。 小波の本であれば、検索すれば出てくるだろうと、書名もしっかり記憶しなかった。 今考えると、コマ割りが珍しく是非とも購入すべきであった。 いまだに、なんという本なのかわから…続きを読む