古本日記 太田咲太郎『ゾラとセザンヌ』 2022年05月16日 注文していた太田咲太郎(おおたさきたろう)『ゾラとセザンヌ』(昭和17年12月25日、三田文学出版部)が届く。 表紙の皺がちょっと残念だが、予想より綺麗な本である。 書簡を中心に、同郷の二人の交渉をたどる。 わたしは、ゾラの小説では、『制作』が一番好きである。画家小説としてよく書けているし、岩波文庫版はとても翻訳が良い。 主人公のクロード・ランティエという画家は、セザンヌやマネをモデ…続きを読む
まぼろしの本 2022年04月20日 巌谷小波 古書市で買わずにいて後悔した本のことを書こう。 大阪古書会館のたにまち月一古書即売会でのこと。 著者は巌谷小波で、コマ割りした空間にモノクロの絵が入っている本であった。興味を惹かれるが、傷みがひどく、購入しなかった。 小波の本であれば、検索すれば出てくるだろうと、書名もしっかり記憶しなかった。 今考えると、コマ割りが珍しく是非とも購入すべきであった。 いまだに、なんという本なのかわから…続きを読む
古本日記 復刻版『日本絵葉書史潮』 2022年04月15日 絵はがき 印刷 元版がなかなか見つからないので、復刻版で樋畑雪湖『日本絵葉書史潮』(日本の郵便文化選書、1983年9月16日、岩崎美術社、*元版は昭和11年4月10日、日本郵券倶楽部)を購入。 神戸市立中央が架蔵していて、ここは明治本でも貸し出し可能であるが、交通費1000円かける2、コピー代1000円と時間を考えると購入が合理的と判断。 いつもは、復刻版とオリジナルでは断然オリジナルの購入を優先するが見つ…続きを読む
『洋画講義録』2冊 2022年04月09日 小冊子 講義録 大日本絵画講習会の『洋画講義録』が2冊届いた。 A4横置きの第2巻第4号は裏表紙欠であるが、表紙に明治40年2月20日発行とある。 実作を多色石板で多数掲載し、油彩画、パステル画などの描法について解説がついている。 もともと、『洋画講義録』を知ったのは、『ハガキ文学』の読者投稿に、太田三郎の伝記的文章が掲載されているとあったからである。 なんとこの号には、丸山晩霞、三宅克己、和田英作…続きを読む
古本日記 『洋画講義録』 2022年04月01日 講義録 《日本の古本屋》で『洋画講義録』を検索すると、2冊ヒットした。 これはと思って、購入の手続きに入ると、1冊が消えてしまった。 古書市でよい本を見つけ棚に手を伸ばそうとした瞬間に、傍から別の人の手が差し出され、本を奪われてしまった体験のオンライン版である。 購入できたのは通常の講義版で、購入できなかったのは規則などを網羅したものである。 版元の大日本絵画講習会の概要をつかめるほうを入手でき…続きを読む
一條成美『新粧』は画集か絵葉書か? 2022年03月04日 一條成美 オタさんのブログ《神保町系オタオタ日記》の「牧野富太郎や五百城文哉の植物画掲載の『園藝界』(春陽堂、明治38年)ーー一條成美の絵葉書『新粧』の広告もーー」(2022年3月3日)という記事に驚くことが書いてある。 オタさんが購入した『園藝界』の「第2年第1巻、明治38年1月掲載の春陽堂発行絵葉書広告の中に一條成美画『新粧』がある」というのである。 新潮社から出たはずの一條の画集も『新粧』という…続きを読む
古本日記 『はがき新誌』創刊号 2022年03月03日 印刷 絵はがき 先日、たまたま思いついて、そういえば『ハガキ文学』の類似誌として『はがき新誌』というのがあったなあと、日本の古本屋で検索すると、創刊号が適価で引っかかったので注文。 背にいたみありとのことで確かに背は剥がれているがとじ(二穴)は保たれていて、表紙もまずまずの保存状態である。 便利堂とあるので、今もあるあの京都の便利堂かと思ったが違うようだ、 残念ながら、付録絵葉書(寺崎広業「反魂香」)は切…続きを読む
古本日記 『ビアズリ装画集』 2022年03月02日 田中恭吉 印刷 滋賀県立美術館に「ビアズリーと日本」展を見に行ったのは、2016年3月のこと。 もう6年も経つ。 過去記事《ビアズリーと日本》 ランチが美味しかったことと、もう一つ気になったことは、洪洋社の『意匠美術写真類聚 第一期第二輯 ビアズリ装画集』(初版は大正11年12月20日、本ブログの提示図版は4版で昭和2年9月28日)が展示されていたことである。 この本は無綴で、何枚かが展示されていて…続きを読む
古本日記 『女学世界』絵葉書つき 2022年02月27日 『女学世界』第7巻11号、明治40年8月5日発行、博文館。 思っていたより、保存がよかった。 絵葉書がついているというので購入。復刻版があるが、それには付録の絵葉書も復元されているのだろうか。 絵葉書については、note連載で紹介予定。 表紙画は、「成」のサインがあるので一條成美だろう。口絵も寄稿している。 ハートの形の宝石の指輪に囲まれる女性。女性の背後の小さな円形に満月。 月…続きを読む
さかさま? 太田三郎『鉛筆スケッチ習画帖 第二輯』 2022年02月23日 絵はがき 印刷 画家 太田三郎『鉛筆スケッチ習画帖 第二輯』(明治42年5月25日、日本葉書会・博文館)。 第一輯は橋本邦助で、国会図書館検索でひっかかるが、この第二輯は出てこない。 スケッチと絵葉書と石版印刷が結びつく。 《野の夕》はよく見るとさかさま。貼るのも手作業だからミスが出たのだろう。 鉛筆スケッチに水彩で手彩色の感触がよく出ている。 この年の7月に、大田三郎は、ファンの女性と結婚して…続きを読む