イポリータ肖像 2017年01月13日 挿絵・口絵 藤島武二 イポリータ・サンツィオ肖像。 ガブリエレ・ダンヌンチオ著、石川戯庵訳『死の勝利』 大正2年9月、大日本図書株式会社。 横顔肖像は、このころからあったのだ。三色版だと思う。もとは、パステル画か。 続きを読む
『増補改訂 木版口絵総覧』 2017年01月12日 挿絵・口絵 山田奈々子『増補改訂木版口絵総覧』(2016年12月、文生書院、6500円)。 口絵について、著者は「口絵の使命は小説の主人公を紹介することにあって、小説の筋や事件などを表す必要はなく、登場する人物の風貌、性格を風俗とともに描き出し、その描かれた人物を見ただけで時代背景や、その人の社会的身分、地位、人格の特徴を読者に伝えることが必要である。さらにそれによって小説全編の意義を示すことが要求されて…続きを読む
少女純情詩集 2016年12月12日 西條八十『少女純情詩集』(大日本雄弁会講談社、昭和7年10月発行、掲示図版は昭和14年9月35版)。 すごく売れている。西條には抒情小曲集もあったはず。 詩型としては、北原白秋の「断章」や室生犀星の「抒情小曲」が、大衆化した形。 絵との組み合わせは、竹久夢二が開拓者。 窓辺の乙女。蕗谷虹兒画。三色版か。けっこうきれいな刷りだ。窓辺の少女イメージが定番となっていたことは、大塚英志『…続きを読む
日記 2016年10月18日 ◇23日は、田中恭吉の命日だ。今年は覚えていた。『月に吠える』の挿絵などについて、ブログにどんどん研究ノートを上げていこう。 ◇鷗外と三越については、鷗外記念館が図録『流行を作る⎯⎯三越と鷗外』というのを出している。漱石はどうか。『三四郎』で風呂屋の広告を見るところがあった。『行人』にも出てきたはず。 ◇書類作りと、報告の準備でクタクタになる。明日は朝出なので、夜のうちに準備をしよう。 ◇…続きを読む
「明星」の挿絵を女学生に贈る 2016年10月17日 長田幹彦の『青春時代』の「「明星」の時代」には、次のような「明星」の図版についての記述がある。 新詩社では純詩歌雑誌である豊麗な「明星」を発行していた。菊二倍判の、恐ろしく紙質のいゝ二百頁ばかりの雑誌で、毎号三宅克己氏、中沢弘光氏、藤島武二氏といつた第一線の人気画家達の水彩画を伊上凡骨が美しい木版に刻んで、中絵として挿んであつた。それが呼びもので、その絵を僕なぞは一円なにがしの額縁にいれて…続きを読む
「絵ばなし」に反応 2016年09月27日 ◇今日の道。まだ、蒸し暑く、疲れる。 ◇「絵ばなし世間学」、『キング』昭和10年新年号付録。ワンコインでお釣りがくる。 「絵入り」とか「絵語り」とかあると、反応する。 目次に寄稿者、挿絵画家の一覧が出ているので、この時代の様相がわかる。本絵と兼業の画家は少なくなっている。田中良、河野通勢、細木原青起など。 装幀は、西澤笛畝、鳥羽僧正に倣う、とある。 金属版で写真転写の…続きを読む
ザ・ステューディオ 2016年09月23日 ◇頼んでいて、忘れていた洋書が届いた。The Birth of The Studio 1893-1895,Baron Publishing カードが入っていて、他のシリーズもあるというので検索にかけてみるが、上がってこない。残念だ! 他のシリーズが欲しい。 1500円くらいだったので、どんな本かと思っていたが、記事や図版の再録ではないか。値段としては大当たりだ。 漱石先生は定期購読し…続きを読む
元禄模様のことなど 2016年09月20日 夏目漱石 ◇台風のせいもあり、上田敏「うづまき」版下と格闘。江戸と明治の連続性を信じるところが敏先生の特徴。明治の中の江戸について考えているうちに、啄木のことを思い出す。 石川啄木の「時代閉塞の現状」に次のような元禄回顧の風潮に対する批判が出ている。 そうしてまた我々の一部は、「未来」を奪われたる現状に対して、不思議なる方法によってその敬意と服従とを表している。元禄時代に対する回顧《かいこ》がそれで…続きを読む
最近のイメージ関連書籍 2016年09月18日 ◇最近のイメージ関連本を紹介しよう。 ①中島国彦・長島裕子『漱石の愛した絵はがき』(2016年、岩波書店) そんなたいしたことないのではないかと、思っていたが、購入してみるとこれがなかなか面白い。漱石はもらった手紙、はがきなどはあまり保存しなかったというが、絵はがきは、まとまって残っていたことが、松岡譲によって伝えられている。 今回、岩波書店に保存されていた漱石宛絵はがき31…続きを読む
坂本繁二郎と三木露風 2016年09月09日 挿絵・口絵 装幀 画家 三木露風というと、情調派、つまり、感傷的抒情と先入見で捉えられがちだが、イメージの自立を目指した詩もある。このことは、『近代日本の象徴主義』(2004年、おうふう)の「1−11 内部の自然 三木露風」で書いたことがある。 「情調派」として露風を批判した富永太郎の「秋の悲嘆」の「かの女の髪の中に挿し入つた私の指は、昔私の心の支へであつた」という一節に先駆けて、三木露風の「指」という詩には「汝…続きを読む