イメージ関連本、3冊

 下、この著者には、岩田書院刊の熊野勧心曼荼羅についての大著があるが、まず啓蒙的なこの一冊から。地獄の啓蒙書はたくさんあるが、人生の橋について触れているのは少ない。  論文の骨格は固まっていてできているが、周辺を詰めておくために勉強が必要。耳学問で知った本。  中、古典の〈画文共鳴〉についても勉強しておかなくては。こういう本が出るということは、需要が出てきたということか。 …

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『挿絵画家の時代 ヴィクトリア朝の出版文化』

 清水一嘉『挿絵画家の時代 ヴィクトリア朝の出版文化』(2001年7月、大修館書店)。  19世紀イギリス文学における挿絵の歴史。  印刷法については、木口木版のことなど出ている。  挿絵画家と作家の微妙な関係については、「第7章 画家と作家ークルックシャンクの主張とエインズワースのか弱き抵抗」が興味ふかい。先に挿し絵が描かれ、物語がそれにそって描かれる場合もあるという。  …

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津田青楓『墨荘雑記』

 必要があって、芸艸堂から、再刊されていた、津田青楓の『漱石と十弟子』を読み、書きぶりが面白かったので、昨日、S堂でいちばん値がはったが、随筆集『墨荘雑記』を購入した。何やかや、この所、安価のものも含めてたくさん買ったので、下半期は自重することとしよう。  さて、随筆も生活のために書いていたという。この本には写生文が収めてある。1911年の「グルーズの女」。パリのセーブル街で一軒家を借りて…

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ジャパネスク

Japanesque: The Japanese Print in the Era of Impressionism.Prestel Pub.2010/10/30,Karin Breuer. 印象派との関わりがもう少し詳しく書いてあるかと思ったら、そこはかなり一般的な叙述である。ただし、最終章が、アメリカの版画への影響を扱っていて、バーサ・ラム他多くの版画家が紹介されている。  モネ…

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読んでいたこと忘れている

   さて、上、ウォルター・クレイン著、高橋誠訳『書物と装飾 挿絵の歴史』(1990年、国文社)、下、ジョン・ラッセル・テイラー著、高橋誠訳『英国アール・ヌーヴォー・ブック』(1993年、国文社)である。  実は、ずっと前に目を通していたが、思い出して、書架から探してきた。上は、2回購入している。  クレイン著には、ちゃんと、ビアズリーのラインブロックの手法と作風の変化について記…

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『意匠の天才 小村雪岱』

 表題の、とんぼの本新刊買ってきました。  芸術新潮の特集が元になっているらしいが、書影が多く、うれしい。  小村雪岱ってどこがいいのか、と思っていたのだが、谷崎潤一郎の『近代情痴集』の装丁・挿絵を調べているうちに、すっかり好きになってしまった。それは、もう入稿してあるので、ぜひ今年中には出てほしい。論集的な本なので、遅れるかもしれないが。  25頁、鏡花の縮刷版は、インゼル…

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インゼル社の本

 注文していた、インゼル社の本が届いた。  リルケの『オルフォイスへのソネット』である。  Rainer Maria Rilke Die Sonette an Orpheus インゼル文庫115、でいいのだろうか。紙装本で、おそらく昔からこの形だったのだと思う。  いつの出版かわからないが、最近の版である。サイズは、B6か。  花びらの文様だろうか。題簽は印…

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和歌山、恩地展は12日まで

恩地孝四郎展は12日まで。 図録は、まだあるようだ。 県庁前でバスを降りると、宇治書店が開いていたのでのぞく。 由良君美の再刊『風狂虎の巻』が置いてある。旧刊を持っているので、購入しなかったが、『ディアロゴス演戯』とこの本が好きである。再刊本には、娘さんによるあとがきが付いている。 閉展前で忙しいだろうが、いろいろ話を聞き、また聞いてもらった。 恩地展は、今回は、初期中期が印象…

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有島生馬『死ぬほど』

 恩地孝四郎展でも展示されていたが、有島生馬『死ぬほど』(春陽堂、大正9年6月、図版は同月の再版)は、菊半截の小型本ながら、未来派風の表紙画は、目を引いた。  きょうは、扉を紹介しておこう。この時期の線描が好きである。奥にあるのは眼球だろうか。向こう側から見ている=奥から見られている、というモチーフは、主客の転倒を暗示している。  『死ぬほど』とは、歌謡曲風の題名だと思う方がおられ…

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恩地孝四郎と洛陽堂

 図版は、グラシン紙をかけたままだが、赤木桁平『芸術上の理想主義』の函。刊行は大正5年10月、版元は洛陽堂である。いまでは、近デジに入っている。  洛陽堂は、周知のとおり、竹久夢二のコマ絵の画集、『白樺』、創作版画誌『月映』の版元である。社主は、河本亀之助。先日、田中英夫氏による伝記『洛陽堂河本亀之助小伝』(燃焼社)が上梓され、生涯と事績の全容が明らかになった。  赤木の本には、…

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