私輯『月映』Ⅰの目次草稿 2025年04月24日 月映 版画 田中恭吉 木版 和歌山県立近代美術館ニュースの122号に、井上芳子氏の「私輯『月映』Ⅰについて 「まどひ」のうれしさ」が掲載されている。PDF版も美術館のサイトで公開されている。 2015年の恩地孝四郎展のための調査を進めている際に、恩地の遺品から「私輯『月映』Ⅰ」の目次が見つかったという。 昨秋の美術館の「「月映」 つきてるつちに つどひたるもの」展では、この目次を参照しつつ、版画が展示されていた。1…続きを読む
noteに新記事《『白樺』の木版:ムンクの《心臓》》を公開 2024年07月19日 版画 印刷 noteに新記事《『白樺』の木版:ムンクの《心臓》》を公開した。 『白樺』第3巻第4号(明治45年4月、洛陽堂)の口絵に、ムンクの《心臓》が、模刻された木版として掲載されている。 1度見ると引き寄せられて目を離せないような出来だ。 模刻とは、オリジナルを木版で複製すること。 裏表紙の《叫び》とともに、拡大図版を使いながら、〈視覚的触感〉について考えてみた。 続きを読む
大阪朝日新聞の日曜附録「版画展覧会」 2024年06月08日 版画 一條成美 創作版画史上でよく知られている、大正2年11月16日の大阪朝日新聞の日曜附録(見開き2ページ)の「版画展覧会」という記事がある。 否定的であれ、肯定的であれ、版画に関心があり、制作体験を持つ画家達のエッセイと実作が掲載されていて、紙上の版画展覧会という趣のある特集記事である。 この記事は、北村清太郎が発行していた『現代の洋画』23号版画号に概ね再録されている。この号は、所持しているし、復刻版…続きを読む
西村熊吉のこと その2 2022年11月22日 彫り師伊上凡骨とコンビを組んで素晴らしい版画を仕上げてきた摺師西村熊吉。 遠隔資料送付で2つ資料が届いたのでなんとなく検索しているとARTISTIANというサイトがひっかかった。 《摺師が明かした小林清親の光線画制作秘話》という記事では、わたしが取り寄せたのと同じ資料を使って、西村熊吉のことについて詳しく触れている。一読の価値あり。今年できた新しいサイトのようだ。 小林清親がメインであるが…続きを読む
木版の勉強 2022年06月05日 石版 木版 先日、国会デジコレの個人送信で『印刷雑誌』の石版関連の記事を半日ほど画面で読んでいたら、翌日は異様に肩が張った。やりすぎはいけない。 石版の文献は並行して読み進めているが、版の重ね方に錦絵木版からの影響がある。このことは、過去記事《あれとこれ 木版と石版》を書いたときに気づいていたが、明治30、40年代の多色石版の図版、多色石版の絵葉書を見るにつれて、いろいろ考えることが増えてきた。この記事は…続きを読む
中公文庫版『川上澄生全集 第8巻 版画 他一編』 2022年03月11日 川上澄生 印刷 竹久夢二 版画 挿絵・口絵 ずっと前に古本屋で見つけて、版画の技法のところだけを読んで、その後放置していた中公文庫版『川上澄生全集 第8巻 版画 他一編』(昭和57年12月10日)。 教科書のことを書いていた記憶があって確認してみると、あった。「最初の小学読本の挿絵その他について」という章があって、『小学読本』が、アメリカ合衆国の『学校及家庭叢書の第一読本 マーカス・ウィルソン著』の図版をそのまま真似て挿絵にしていること…続きを読む
夢二のコマ絵 2022年03月10日 コマ絵 印刷 竹久夢二 竹久夢二のコマ絵。『ハガキ文学』第6巻第8号(1909年8月1日、精美堂)所載。 駅に見送りに来たが、列車が出発してしまった後で「TOO LATE」ということなのだろう。 コマ絵とは、本文と関わりのない絵で、ページ割付で生じた空白を埋めるために使われた。 先日、𠮷田紀子『ポスター芸術論』(2022年2月25日、三元社)で、ロートレックの石版ポスターについて「ポスターというメディアが要求…続きを読む
香山小鳥、田中恭吉の記事を見つけた 2022年02月28日 画家 田中恭吉 版画 ブログ《UAG美術家研究所》の「創作版画の草創期に生き21歳で没した香山小鳥」(2021年2月21日)という記事に、香山小鳥、田中恭吉が取り上げられている。 小鳥の版画《深川の冬》の図版が掲げられているが、やはり彫りがすばらしい。 彫刻刀でさらった跡の効果を考えている。 岡本帰一は、その効果は、誰もが木版画で行きつく効果だという趣旨のことを述べていて、木版画から離れていった。 岡本は大正…続きを読む
伊上凡骨の技量について 2018年08月27日 印刷 版画 挿絵・口絵 伊上凡骨(いがみぼんこつ)は、「明星」や「光風」で活躍した木版彫刻師。さまざまな技法を試み、木版画の可能性を実践的に示した。これは、「明星」巳歳第参号(明治38年5月)に掲載された三宅克己の《明治座二月狂言の見物》である。右下にK・Mのサインがある。 目次では、絵画三宅克己、彫刻伊上凡骨と記されている。「彫刻」は木版の彫りのこと。目次末尾に図版について一括の記述があり、そこでも「木版彫刻 伊上…続きを読む
あれとこれ 木版と石版 2017年06月13日 版画 挿絵・口絵 はじめて手にしたオリジナルの『明星』は、明治37年1月号。日本の古本屋のサイトができてまもないころ、まだ検索に制限がなく、平凡出版の芸能誌『明星』ばかりが際限なくでてきて、まいったが、あきらめずにつづけていると、青森の古本屋さんで、この号が見つかったのである。価格は2700円だったと記憶する。 それまでは、臨川書店版の複刻版の図版をコピーして、ファイルに分類していたが、印刷の本当の状態はオリジ…続きを読む