『近代出版研究』第4号「特集:書物百般・紀田順一郎の世界」

先週、『近代出版研究』第4号「特集:書物百般・紀田順一郎の世界」が届いたので、作業の合間に読んでいる。 厚さも価格も、『ユリイカ』の総特集なみになってきた。 紀田氏の本は、福武文庫の『新版 古書街を歩く』や河出文庫の『明治風俗故事物語』、ちくま文庫の『日記の虚実』くらいしか読んだことがない。 〈啓蒙の人〉かと思っていたが、特集を読み終えて、〈オリジナルの啓蒙の人〉であることがわかった。アカ…

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作業日誌 資料リスト作り

朝から、太田三郎の資料リスト作成。このブログ記事を書く前に完成したので送信した。油彩画、日本画と、印刷された絵画が同時に展示されるのは、竹久夢二なら当たり前であるが、太田の場合はどんな感じになるのか楽しみである。 太田は大正中期以降、『婦女界』の仕事をたくさんしているが、都河龍という編集者はどんな人物であったのか気になる。大正13年の『婦女界』を1冊入手したが、表紙は和田英作の《青の洞門》であ…

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ざっさくプラスのパンフレット

ざっさくプラスの24年版パンフレットに小林昌樹氏、オタさんなどが推薦文を書いている。 小林氏は「できるだけ広く」探すツールとしては日本一だとしている。記事そのものよりも記事情報を見つけることが大事とも述べている。思い当たることはある。記事情報がしっかりわかれば、あとはなんとかなるのである。 オタさんは、用語の出現時期の調査に適しているし、何より変わった雑誌の調査に役立つとしている。 尾…

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持ち重りする『近代出版研究』第3号

予約していた『近代出版研究』第3号がとどいた。 表紙の紙が厚くなったのはよい。鞄に入れるといたみやすいので助かる。 寝転がって読もうとすると、重いので腕が疲れてくる。持ち重りする第3号だ。 まず「座談会「書物雑誌」と雑誌の「書物特集」」から。雑誌の書物特集の一覧が出ているが、知らないものが多い。 次にオタさんの「明治期における裏表紙のパブリッシャーズ・マークに関する一考察」。なぜか、太田…

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成美推し

版画研究の岩切信一郎氏が、『古書通信』5月号に「一條成美と窪田空穂」という文章を寄稿している。 一條成美は、当ブログの読者には周知の、『明星』や『新声』で活躍したイラストレーター。〈萌え〉の源流と言えるような少女像を描いた。ミュシャなどの影響は受けているが、独自のスタイルを持っている。 岩切氏の指摘のとおり、まだまだ一條の生涯については、わからない部分が多い。 岩切氏は拙論と『まんが表現教…

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昔のアメリカの週間誌『コリアーズ』(Collier's)を買った

荒木瑞子氏の『竹久夢二の異国趣味』に、夢二の切り抜き帖に、アメリカの週間誌『コリアーズ』の表紙画何枚か貼ってあるという指摘がある。昨日のお知らせのとおり、noteの《竹久夢二「スケッチ帖より(「挿画談」をよみて)」⑤》という記事でそのことを紹介した。 アメリカのイラストについてどんな本が出ているか、Amazonで検索してみた。 パリッシュやライエンデッカーは画集が出ている。 試しに、Col…

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第2号がきた

予定より早く『近代出版研究』の第2号がとどいた。午前中は書影撮影の予定であったが、それをやめてよみふける。 横山茂雄氏のインタビューでは、均一本を見るようになったのは、ブックオフができて古書価の変化があったからだとあって、そうかと思った。古書価の暴落によって出てこないものまで放出されるようになったということらしい。 松崎貴之氏の新聞縦覧所の論は、勉強になった。ミルクホールとの関連はどうだった…

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明治42年の振替用紙

『新国民』という雑誌を入手した。 明治42年の12月号である。 一条成美の絵はがきが付いているがその紹介はnoteにゆずるとして、今回提示したいのは振替用紙である。 この雑誌は大日本国民中学会の発行で、講義録の販売などを行っている。 「現金を添へて郵便局へお持ちになるのです。」という表現はすこしひっかかるものがある。 バスの案内で、停車してから「お立ちになります」というのがあっ…

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新刊日記 『ビランジ』最終号

竹内オサム氏編集の『ビランジ」50号(2022年9月20日)が届く。 最終号である。 目次。 総目次、架蔵図書館一覧、竹内氏の主要業績一覧もついている。 特集の4本はいずれもおもしろかった。 徐園・許嵐清「中国におけるマンガ研究の歴史と現状」で、陳望道 編『小品文と漫画』(1935年、生活書店)という本が紹介されている。小品文と漫画(この場合は、近代日本のコマ絵的なものを指すと思わ…

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1907年に漱石の酒量が増えた?

雑誌『ハガキ文学』第四巻第十三号(明治40年12月1日)に、「楽屋通人」名義で「文壇楽屋通」という作家についてのゴシップ記事がまとめられていて、その中に漱石についての次のような記述がある。 ▲夏目漱石氏其漸やく世間より忘られんとするを慨して神経を病む事甚だしく為に酒量大に上り、持病の脳益々悪しきを加ふ 漱石は酒が強かったのか。はたまた飲酒の習慣があったのか、よく知らない。 明治40年末…

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