複刻版と退色

 あるかたが、『地上巡礼』のオリジナル写真をつぶやきにのせている。少し版が大きくなった最後の2冊は、紺色に見える。複刻版では葡萄色(えびいろ)的に、赤系の要素が強まっている。これは、推測だが、退色したオリジナルを参照して作ったためではないだろうか。 過去記事《写生文の「うふヽん」》で紹介した『新写生文』ももとは、紺色系の紫だったかもしれない。 古本屋さんで、合綴した『ホトトギス』を見せてもらった…

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雑誌をあつめる

このところ、少しずつではあるが、古雑誌をあつめている。一冊5000円というのは手が出ない。2000円までである。博文館の『女学世界』1908(明治41)年2月。表紙は一條成美。折鶴に糸をつけて舞わす遊びがあったのか。石版印刷。口絵は、上村松園や宮崎(渡辺)与平など。コマ絵は多く、竹久夢二も複数作品がある。保存はよい。なかに、虫の押し花ではなく、押し虫があってまいった。懸賞クイズがあって、総額10…

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『児童心理』3月号

『児童心理』3月号、特集「負けず嫌いな子」に「「負けず嫌い」の構造変化について」という文章を寄稿しました。国木田独歩『画の悲み』と、武田綾乃『響け! ユーフォニアム』を比較して、「負けず嫌い」の心性の変化について考えました。2月10日ごろ発売予定。目次はここ。 付記 2017年2月17日。発売されています。

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俳誌「渋柿」44号

「渋柿」は、松根東洋城が主宰する俳句雑誌。44号は、漱石の一周忌に合わせて、ほぼ全冊を特集に当てている。  江口渙の回想に、宮内省の金筋入りの服で、漱石の葬儀の進行役をつとめた東洋城に俗臭を感じたという趣旨の記述があったと記憶する。  母は、宇和島藩主の娘で、父は家老。自らは宮内省の官吏となった。  「渋柿」の一周忌特集については、柴田宵曲のエッセイで知った。  たまたま手にすることがあ…

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ぼっち

 《出版・文化メモランダム》の記事「出版状況クロニクル55(2012年11月1日~11月30日)」で、『サイゾー』12月号の特集「今、一番ヤバイマンガ」が紹介してあり、おもしろそうなので、退勤途中の本屋で探す。2軒目の書店で発見。この雑誌を買うのは初めてだ。  小田嶋隆のコラム「友達リクエストの時代」の1回目。次のような部分がある。「ぼっち」は大学のキャンパス内をたったひとりで往来する一人…

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『版画芸術』 『月映』特集

 『版画芸術』の新号は『月映(つくはえ)』特集です。和歌山県立近代美術館が編集に協力しています。  恩地、田中に比べると紹介されることが少ない藤森静雄の作品がカラーでたくさん出るそうです。藤森の色彩はすばらしいので期待してください。 版画芸術157号 価格2,100円[特集]大正時代の版画誌『月映』の青春田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎

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ほんとうに美しい本

 『アイデア』2012年9月、354号、特集「日本オルタナ出版史1923-1945 ほんとうに美しい本」が届く。  これは、すごい。見たことのないもの、知らない人物が多く出ている。当方の関心はだいたい、1920年くらいまでで、その後の時期があつかわれている。  座談会における郡淳一郎の発言から。そして、この人たち(引用者注-特集で取り上げられた31人)はこれまでの大手出版社を中心にし…

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読書と友人

 『本の雑誌』12月号の表紙に「本を読まない人はやがて友人がいなくなる。」と書いてある。  わたしの場合は、「本を読みすぎて、友人がいなくなった」か、「友人がいなかったから、本ばかり読んでいた」のか、「友人はいないが、そのこととは無関係に本ばかり読んでいた」のかのいずれかである。  栗原裕一郎「倉橋由美子の10冊 「いかに」をつきつめた作家」に感心。倉橋を読みたくなってくる文章だ。し…

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