口絵が挿絵

わかりにくいタイトルであるが、口絵が巻頭作品の挿絵になっているという意味。 『小品文学』第1年2巻(明治39年2月、泰山堂)。 口絵=挿絵は田代暁舟(たしろ・ぎょうしゅう)。 作品は小川未明『木犀花』。妹の墓参に出かける兄。墓地で不思議な人影を見る。 あゝ、尼さんぢや!  例の・・・・・・葬式の時に見た尼さんぢや!何うして彼の尼さんが、今頃此墓に詣でゝくれたのであらう。不思議な尼さんもあ…

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大正5年の為替受領証

雑誌『文章倶楽部』第七号(大正5年11月、新潮社)に挟まれていた、為替受領証2通。検印に、山梨県の鳥澤とあり、現在は大月市である。 10月24日に10円。10月30日に20円。紙の質が違うが、郵便局が異なるのか。 手数料はけっこう高い。 東京に出ている家族に送ったのだろうか。 こういう紙ものは、残っていて何か意味があるのかどうかはわからないが、歴史の細部のかけらにはちがいない。

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東京駅頭の佐藤春夫夫妻

『文章倶楽部』(大正13年12月、新潮社)。「文壇近時画報(1)」。 キャプションは、「佐藤春夫氏とその新夫人(十一月初旬郷里紀州に向つて出発の日東京駅にて)」。 ちょっと、写真週刊誌みたいである。 小谷野敦『谷崎潤一郎伝 堂々たる人生』(2006年6月、中央公論社)に、「この月(引用者注-大正13年3月)、佐藤春夫が、赤坂の藝妓小田中タミ(多美)と結婚して、周囲を驚かせている。むろん…

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子を抱ける平塚雷鳥

*これまで、何度か古雑誌で見つけた文豪関連の写真を紹介してきたが、今後も続けていきたいと思う。 『文章倶楽部』第六号(大正5年10月、新潮社)の「文壇風聞記—ABCー」という文壇情報コラム欄に掲載された平塚雷鳥の写真「子を抱ける平塚雷鳥」。 「文壇女夫揃ひ」という記事の後半部を引いておこう。 批評家乃至詩人としての生田春月氏と同花世氏の外、畫家と文士とのとり合せは随分多い、小寺憲吉氏と同菊子…

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LE MOIS 1901年2月号

 ミュシャが装幀したことで知られるフランスの雑誌LE MOISの1901年2月号。円内写真は傘をさす人々。 誌名の意味は「月」。 驚いたのは、誌名の下にLITTERAIRE ET PITTORESQUE(文学と絵画)とあること。  ある時期の『明星』には「画入月刊文学美術雑誌」という文字が入っている。  『ラ・プリュム』や『ヴェル・サクルム』からの影響については、指摘したことがあるが、これは…

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再掲『女子雑誌ムラサキ』(つづき)

 *切手と二つ折りについて、いろいろツイートが出たので、記事再掲します。  手持ちの『明星』に二つ折りの痕跡があります。  印は「河邊」でしょうか。  なぜ、使用済みの切手が貼ってあるのだろう。子どものいたずら?  サクラの花の形のゴム印は、「春埜家之証」とある。 [付記、2019年3月28日]オタさんのツイート、引用。ブログ「表現急行2」に出てる雑誌は、雑誌を二つ折りして宛先を買いた…

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『女子雑誌ムラサキ』

 明治30年代に読売新聞社から出ていた『女子雑誌ムラサキ』の合綴版。  こんなふうに、私的に雑誌を綴じてある事例はよくある。  光があたらないので、表紙が新品状態で保存されている場合もある。  「其の」と書いて数字が欠けているのは、よく見ると紙が剥がれているのであった。  さて、「春廼家」とあるが、坪内さんなのか……。

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オリジナル『明星』

☆F書房さんの目録で注文して、オリジナル第1次『明星』を何冊か買った。前号の目録でも注文したが皆売り切れていた。今回は、目録が届いた日の夜にファックスで注文。1冊をのぞいてまにあった。 ☆第6号は、2冊目である。複刻版とすこし表紙の色合いが違うので、2冊目を購入した。表紙にすこし欠けはあるが、保存はいい状態なのでよかった。 一條成美の展示があったとき(ないか? でもあるかも)使えるといいが。 …

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『季刊25時』2015年7号「ぼくたちの大好きな伊丹十三。」

◇緑地公園のblackbird booksを訪ねる。旧刊だが、『季刊25時』の伊丹特集を見つける。門上武司のインタビューはおもしろかった。 左のチラシは安藤智個展のもの。犬の絵はよかった。 ◇天牛江坂店では、八木福次郎『書国彷徨』(古書通信社)を。冒頭の「街の風物詩—露天の古本屋」では、露天の古本屋で『遠野物語』を5銭で買った折口信夫の詩が紹介され、昭和35年に始まった神田の青空古本祭に話が…

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一條成美についての報告終わる

 いちおう、11日、京都国際マンガミュージアムで開催された「まんがの色彩学」2日目の報告「明治期、版の表現の諸相 一條成美からはじめて」をなんとかおえることができた。例年この時期は体調が悪くなり、昨日もベストとは言いがたい状況だったが、ほっとした。帰途、ゆかりの者から書類を受け取って、家で仕上げをするつもりが、寝てしまった。 私が得るものは多かったが、私の報告は役に立ったかなあ。オタさんが聞きに…

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