トレースを検証

先頃、絵葉書の原画を1枚入手した。 原画をもとにした絵葉書の入手には時間がかかると思っていたが、これもすぐに入手することができた。 肉眼ではほぼ同じだが、微細な相違もあるようだ。 どのように印刷物にしたのかをできるだけ調べたい。 絵葉書は石版印刷で、明治期の解説書を何冊か読んでいる。 転写紙を使ったのではないかと考える。 石版上には、原画を反転させた画像が描かれていないといけない。 …

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多色石版印刷の実演

いいものを見つけた。 多色石版の印刷の実演。14 color lithography inspired by Arcimboldo Oldrich Jelen & Petr KorbelarというYouTubeの番組。 チェコの作品か。 題は、「アルチンボルドに触発された14の色版のリトグラフ オルドリッチ・イェーレン、ピーター・コルベラー」でよいのか。 石版の実演は、モノクロは…

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点林堂印刷所 『本邦オフセット印刷の開拓者 中西虎之助 日本平版印刷発達史』を読む 3

『本邦オフセット印刷の開拓者 中西虎之助 日本平版印刷発達史』(昭和31年12月3日、凸版印刷株式会社、編集増尾信之)。企画は伊東亮次、執筆は増尾信之。 口絵写真、中西虎之助。(トリミングあり)。 虎之助は14歳で、京都の点林堂印刷所に入所。虎之助は銅版印刷を学びたかったが、点林堂は活版印刷の会社で、その点少しあてがはずれた。 点林堂印刷所での労働はなかなかたいへんであった。  まだ労働…

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印刷への関心はどう生まれたか 『本邦オフセット印刷の開拓者 中西虎之助 日本平版印刷発達史』を読む 2

中西虎之助は1866年6月3日生まれ。維新の激流渦巻く京都に生まれる。 虎之助は上京の竹間小学校に明治7年以後に入学。当時は飛び級があり、成績優秀の中西は4年かかるところを2年半で下等小学校を卒業、試験を受けて助教(代用教員)となった。上等小学校に進学ができなかった事情も推察できるという(19頁)。 学者を目指していた虎之助は教師講所に通い教師を目指した。 虎之助が印刷への関心を抱いたのは…

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『本邦オフセット印刷の開拓者 中西虎之助 日本平版印刷発達史』を読む 1

『本邦オフセット印刷の開拓者 中西虎之助 日本平版印刷発達史』(昭和31年12月3日、凸版印刷株式会社、編集増尾信之)。 工業高校に寄贈された図書館の除籍本。たぶん技術的には過去のものだから、廃棄となったのであろうか。布装でしっかりした造本で長らく書架に眠っていたのであろう。 個人的には、平版印刷、なかでも多色石版に関心がある。石版からオフセットがどのように生まれたのか知りたいと思っていたが…

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『知つておかねばならぬ印刷と紙の話』(つづき)紙の目について

さて、第二部は「紙」。知りたかったことに一つに「紙の目」のことがある。「洋紙の目のこと」という節では次のように解説されている。  普通の印刷では、洋紙ののことは餘り重要ではないが、石版印刷、オフセット印刷等の如く、印刷の際に水を使用するものには洋紙の目といふことが、可なり重要な問題となるのである。それは一般の印刷紙は、湿氣に會へば伸びる性質を以つて居るからである。 石版印刷等で、數色を取動する…

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『知つておかねばならぬ印刷と紙の話』

先に紹介した『書窓』の「印刷研究特輯」号の巻末付載の文献リストにあがっている本は、なかなか入手しにくい。 印刷勉強は遅きに失した感は否めないが、入手できたものについては、紹介していきたいと思う。 廉価で美本が手に入ったのが、瀬良倭喜太『知つておかねばならぬ印刷と紙の話』(大正15年6月5日、崇文堂・文陽堂)。 紙のことを知りたいというのが購入の動機であるが、印刷についても概観されていて参考…

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『広告印刷物の知識』

あるところで、この本を知って、オンラインで注文。著者は、郡山幸男。印刷雑誌社社長とある。昭和5年4月20日、誠文堂。 こういう系統の本も20年くらい前から集めておけば、今頃すこしはましなことが書けたかも知れないと思う。 写真網版の精度についての図版。 図版がいろいろ参考になりそうだ。 拡大すれば、粗密が分かります。

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三色版

 『戦争文学』(明治37年9月、育英舎)第壱年九月の巻。 口絵は、「捷報来る」。画家は内藤三郎。    女学生が号外を手にしている。背景にははちまきに国旗を立てた号外売りが走っている。 時期的に考えると日本海海戦の勝利の知らせが届いたということだろうか。  ところで、絵の右下に「辻本写真製版所製版印刷三色版」とある。三色版はカラー印刷の手法で、写真網版によって赤・青・黄の三版をすり重ね…

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超絶的写真網版

 文庫櫂さんで見つけた『白馬会紀年画集』(明治38年10月、白馬会)。最初コロタイプかな、と思ったが、ナノキャプチャで拡大すると、ドットが見えるではないか。とても網版とは思えない仕上がりである。 白馬会の展覧会の図録として用いられたもの。10回大会の記念として発行された。 久米桂一郎の「紀年画集はしがき」はつぎのように記している。油画を写真に取ることは非常な困難で、是まで一度として満足にいつた例…

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